明日は、NHK将棋講座2015年6月号の発売日。
◯表紙は、羽生善治名人。
◯グラビアは、「乃木坂46 伊藤かりん、緊張の初収録に密着」。将棋フォーカスの総合司会を務める伊藤かりんさんのインタビューも交えた初収録のレポート。伊藤かりんさんは、これから将棋を覚えてみようと思っている人達と将棋との、素晴らしい架け橋になってくれそうな感じがする。
◯「あなたの知っている/知らない」は、羽生善治名人の登場。編集部からの羽生名人への質問、前々回登場の加藤一二三九段から羽生名人への質問、前回登場の中村太地六段から羽生名人への質問の三部構成。非常に奥が深いのにわかりやすい羽生名人の言葉。羽生名人の好きな映画が意外な作品。
◯佐藤康光九段の「勝つための詰みのセオリー」、6月からは入門・初級者向けの詰みの解説から一歩ステップアップし、中級者の入り口の辺りの解説となる。3手詰めが主体。
◯ルポルタージュ激戦の軌跡は「テレビに映らないNHK杯」。NHK杯戦予選トーナメントの模様を、関東は相崎修司さん、関西は野間俊克指導棋士六段が伝える。
◯佐藤天彦八段の「『貴族』天彦がゆく」は特別版で、『天彦が見た「将棋界の一番長い日』。佐藤天彦八段の視点からのA級順位戦最終局、特に最後のページが非常に印象深い。
◯後藤元気さんの「渋谷系日誌」は、後藤さんが見たA級順位戦最終戦、プレーオフ2回戦、そして仕事を終えて午後8時に新幹線に飛び乗って大阪の将棋会館まで行った挑戦者決定戦のこと。後藤さんは名人戦第1局の観戦記を書いているが、プレーオフ・挑戦者決定戦は後藤さんにとって名人戦第0局の心意気だったのだと思う。
◯リバイバル NHK杯伝説の名勝負は、丸田祐三九段の自戦解説による1983年度3回戦、丸田祐三九段-谷川浩司名人戦の前編。丸田九段のひねり飛車が嬉しい。
◯棋戦プレイバックは、清水市代女流六段による第41期女流名人戦五番勝負。この五番勝負に敗れた清水女流六段が率直に心境を語っている。
◯付録は、石田和雄九段の「古い棋譜を訪ねて ③幕末の天才」。1845年の天野宗歩-大橋宗珉戦、1871年の大矢東吉-小野五平戦が取り上げられている。将棋史を味わいながら当時の棋譜に触れることができる。
NHK杯戦観戦記
◯1回戦第1局 藤井猛九段-高橋道雄九段
「職人の業」 観戦記:君島俊介さん
◯1回戦第2局 豊島将之七段-塚田泰明九段
「攻め合ったが」 自戦記:塚田泰明九段
◯1回戦第3局 澤田真吾六段-高野秀行六段
「角換わり最新形の攻防」 観戦記:宮本橘さん
◯1回戦第4局 阿部光瑠五段-佐藤秀司七段
「新人王対若手キラー」 観戦記:私
ということで、今月号には私が書いた観戦記(阿部光瑠五段-佐藤秀司七段戦)が掲載されています。
2月号で畠山鎮七段-熊坂学五段戦の観戦記を書かせていただきましたが、解説はこの時と同じく中川大輔八段。
中川八段と佐藤秀司七段は宮城県出身、阿部光瑠五段は青森県出身で、中川八段曰く「東北固め」。ついでに私も宮城県出身。
佐藤秀司七段、、阿部光瑠五段、二人の棋士の個性を描きたいと思いながら書きました。
ちなみに、対局当日、NHK杯戦控え室の斜向かいがAKB48の非常に大きな控え室。
AKBファンならたまらない絶好のロケーションだったものの、両対局者とも特にAKBファンということではなかったため、観戦記にAKBは出てきません。
NHK将棋講座2015年6月号、面白い記事が満載ですので、ぜひご覧ください。