将棋世界1997年6月号、畠山鎮五段(当時)の「研修会」より。畠山鎮五段はこの当時の研修会幹事。
研修会の中で、昇級者が非常に増えて、大変良い状態になってきた。
ただ、昇級して、それで安心してしまうケースが多いのが残念ではある。いくら昇級したからといっても、他人と同じ昇級ペースで、人と同じように強くなっていったのでは、プロを目指す研修生にとっては先行き大変厳しい状態であると思ってほしい。では、人より早く強くなるにはどうしたら良いのか?個々の能力にはほとんど差がないのだから、やはり、人より多く努力し、人より厳しく、辛いことをこなしていかないといけないと思う。
例えば、正座の続かない子供は、次は、1局目だけは正座で通す。それができるようになったら、2局目の途中まで、そして2局目の終わりまで、ほんの少しでいいから、今までの自分より、きついことをこなしていってほしい。
少しだけ変えていけば、ある日、とてつもなく高い所にいる自分に出会えるのだから。
昔の棋士の言葉に、「将棋を通して、人生の名人になれ」という言葉がある。
プロを目指すかどうかは別にして、将棋を通して自分自身を向上、成長したい人を研修会は待っています。将棋連盟まで連絡を。
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とても良いことが書かれている。もっと若い頃に読んでおきたかった。
年末の今だからこそ、身に染みる言葉。
年齢制限(男性は20歳以下)でもう無理だけれども、研修会に入ってみたいという気持になってくる。