将棋世界1995年5月号、泉正樹六段(当時)の「公式棋戦の動き」より。
第14回早指し新鋭戦(テレビ東京)
どの名前を見ても強烈無比。そこでどの2人が決勝に進出するか、野獣他4人に予想してもらった。
まず若手の兄貴分の植山六段は阿部-久保。きっと卓上でおいしく頂く腹づもり。
夫人はシードの利を生かし藤井-丸山。
編集部N氏は先崎-丸山。
村山新八段「これもあれも」と悩んだ末に藤井-久保。
野獣は駒音重視で豊川-中川となった。
こういった予想を立てると、より面白く観ることができますよ。
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植山悦行六段(当時)が野獣猛進流・泉正樹六段(当時)に、「きっと卓上でおいしく頂く腹づもり」と書かれているのは、植山六段宅が若手棋士のたまり場となっており、その常連メンバーとも言える阿部隆六段(当時)や久保利明四段(当時)から麻雀で巻き上げるのが容易な環境であることから。
→「今、森内がウチに来てるんだよ。後から康光も来て、明日になれば郷ちゃんも来るんだけど」
夫人は、中井広恵女流五段(当時)のこと。
編集部N氏は中野隆義さん。
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村山聖八段(当時)は泉正樹六段(当時)とも仲が良かった。
二人で遊びに行くことも結構あったという。
その村山八段の決勝進出予想が、藤井猛五段(当時)と久保四段の振り飛車党の二人。
将棋世界最新号、大崎善生さんの「『聖の青春』と私」では、久保利明九段が6級の頃から関西将棋会館の棋士室で村山聖三段(当時)に将棋を教わり始め、それぞれが昇段・昇級しながらVSは1万局を超えていたと書かれている。
村山聖八段は数多くのVSを通して、久保四段を高く評価していたことがわかる。
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この期、決勝に進んだのは、行方尚史五段と丸山忠久六段(二人とも決勝の頃にはそれぞれ昇段している)で、行方五段が優勝している。
たしかに、どの名前を見ても強烈無比。非常に悩みそうなトーナメント表だ。