順位戦の決まり事

将棋世界2005年7月号、「順位戦抽選について」より。

 順位戦にはいくつかの決まり事がある。新しい順位戦の表を掲載するにあたり、今まであまり詳しく触れられていなかった順位戦の仕組みについて紹介しよう。

半か丁か

 まず最初に、各クラスの参加人数が偶数か奇数かが問題となる。

 ご存知のとおり順位戦の日程はあらかじめ決めておくため、タイトル戦や連盟公式行事とバッティングしないように、スケジュールに万全の注意を払う必要がある。(A級だけはラス前と最終局の2局のみ決めておくことになっている)

 B2以下のクラスの場合、奇数になると11回戦(休み番1回)となり、1日対局日が増えるのでますます日程が厳しくなってしまう。今年の例で言えば、渡辺竜王のいるC1が要注意のクラスと言える。タイトル保持者は、当たり前だがタイトル戦がある上に、さまざまなイベントに呼ばれること必定だからである。

 ただし、どうしても順位戦とタイトル戦とぶつかる場合には、最終戦でない限り該当者の順位戦の対局をずらすことになってる。逆に言うと順位戦に限らず「リーグ戦最終局は動かさない」のが原則だ。

 B1は基本的に定員が13名の奇数だから仕方がないにしても、B2・C1・C2の各クラスは、偶数の可能性もあったわけだが、今回昇降級する人数の関係で全部奇数の目が出た。手合係は相当ついていないと思ったはずだ。

3年目の法則

 師弟や兄弟弟子が同じクラスに在籍している場合がある。

 これは総当たりのクラスと抽選で相手を決めるクラスでは若干事情が異なるが、「師弟・肉親・兄弟弟子とは初戦と年明け3局では対戦しない」のが原則。

 ただし、B2以下のクラスでは、抽選で対戦相手を決めるため、師弟や肉親同士は元から当てないことになっている。つまりB2で言えば、畠山兄弟の対戦は組まれないし、C1でも石田-勝又戦や田中魁-長沼戦・小林裕戦は実現しない。

 原則と書いたのは、現実的にはありえそうにもないのだが、クラスの在籍者が10人のみとか、弟子が同じクラスに10人いるとか、そういう特殊な状態が生じたら、当たる可能性は否定できないからだ。

 またB2・C1の場合には”3年目の法則”と呼ばれるものが存在する。同一リーグに3年連続して参加している者同士の場合「過去2年間対戦がない場合は3年目は当たる」「過去2年連続して対戦した場合は3年目は当てない」という決まりである。

 ただし例外もある。前記C1の場合だが、人数が増えた関係もあって、ある棋士の対戦しなければいけない人数が11人になってしまった。全員当てるわけにはいかないので、11名中10名を抽選して対戦を決めた経緯がある。

 C1でもそうなのだから、C2の場合は人数が多すぎて上記法則は成立しない。

「C2は前記対戦した者とは当たらない」ことが唯一条件となる。

 対戦相手が全部決まったら、次は先手後手の抽選がある。

 公平という意味では当然だが、10局なら先後5局ずつ、A級ならば9局中先後の割合が5対4か4対5になるようにする。

 また初戦と2戦目、ラス前と最終戦は先後1局ずつにし、途中で先手(あるいは後手)が3局連続にならないようにすることになっている。

 掲載表では見やすさを重視して、先後は割愛しているので、悪しからず。

降級点制度

 降級点についても触れておく。

 A級とB1は、成績下位者は1期で降級するが、B2以下のクラスは降級点制度があり、1期で即降級ということはない。

 B2・C1の場合は降級点2回で、またC2は同3回で降級する。降級点は参加人数5人に1人の割合で付く。

 たとえば今期C1のように参加人数が29名ならば、降級点は成績下位者5名。30名ならば6名ということになる。

 降級点は勝ち越すか、または2年連続で5勝5敗の成績を取れば消すことができる。ただしC2の1個目の降級点は消えない。

 今年から降級点についても表示することになった。降級点を消すと「昇級しました」と言う棋士がいるほど、降級点の存在は重いものがある。棋士の奮闘を応援してほしい。

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この数号前から将棋世界の編集長が角健逸さんになっており、角さんは長年手合課の責任者を務めていたことから、このような記事も書かれたのだろう。

知っているようで知らないこと、聞いたことがあるような感じはするけれども正確には覚えていなかったこと、が明快になるわかりやすい記事だ。

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角さんは以前から詰将棋作家でもあり、現在は詰将棋書籍の編集も行っている。夕刊フジの詰将棋担当でもある。

また、1993年に「詰将棋探検隊は行く」で将棋ペンクラブ大賞一般部門の佳作を受賞されている。

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現在の公式棋戦規約が日本将棋連盟のホームページに掲載されている。

読んでみると、この当時よりも条件がゆるくなっているようにも思えるが、抄録なので細かい規定が載っていないとも考えられ、当時と今が同じ規定かどうかは何とも言えない。

第8条 公式棋戦規約(日本将棋連盟ホームページ)