今日は、谷川浩司棋聖(当時)の石田流崩し。
将棋世界1999年10月号、関浩五段(当時)の「公式棋戦の動き」より。
棋王戦
谷川-森(雞)戦は相穴熊で、谷川が石田流崩しの好見本を示してくれた。
1図から▲1五歩△同歩▲3六歩△同歩▲1五香と仕掛けたのがそれ。△1四歩は▲3五歩で飛車が死ぬ。故に、勢い△4六角▲同角△1五香の二枚替えへと進んだが、サバキ合いは3枚で固めた先手の望むところ。
以下▲3五歩△1四飛▲2四歩△2五香▲(△同歩は▲3四歩~▲2四飛)▲3六飛△4五銀の両取りに、強く▲2三歩成で先手十分の岐れ。このと金が後手玉の死命を制する働きを見せ、谷川の快勝となった。
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昨日と同様、1図から手順を追っていきたい。
1図が後手番ならば、とにかく△4五歩から4六の銀を退かせたいところ。ところが手番は先手。
▲1五歩△同歩▲3六歩△同歩▲1五香で2図。
後手側がとても息苦しい局面。こうなったら、△4六角▲同角△1五香(3図)しかない。
▲1三角成(次に▲3五歩で飛車が死ぬ)、▲2四歩(△同歩なら▲3五歩から有利に飛車交換)などの手も考えられるが、△4五歩から後手の飛車を取り逃がしてしまうので▲3五歩(4図)。
△1四飛に対しては▲2四歩(5図)。
△2四同歩なら、▲3四歩△同銀▲2四飛から飛車交換。
△2四同歩▲3四歩に△2五歩なら、▲3三歩成△2六歩▲4三と△同金▲2五角。
△2四同飛なら、▲同飛△同歩▲3四歩で、一番上の変化と同じような流れ。
そういうわけで、後手からは△2五香~△4五銀(6図)と反撃。
ここで飛車を見捨てて▲2三歩成(7図)。
△3六銀▲3三とに、△5四銀と逃げれば▲4一角のような手がある。
先手が穴熊ではなく舟囲いなら、いい勝負になるのかもしれないが、相穴熊では先手が大優勢。
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先手がこのような形で攻めてきそうな時は、早めに△1三角と上がっておくと、この攻めを防ぐことができる。
それにしても、昨日もそうだが、石田流はなぜこんなにもいじめられなければならないのだろうか…
石田流大ファンの私からすると、落ち込んでしまいそうな流れだ。