奨励会ハイキングの悲喜劇

将棋マガジン1987年6月号、「棋士達の話」より。

  • 奨励会ハイキングは会員に年齢差があり、強弱がはなはだしいのでコースを選ぶのが大変だ。ある時中級コースの山を決め、結構楽しんで頂上に。ところが山の反対側には道路がついていて車でも来られる事が判明し、全員に不評をかった。

  • ハイキングは雨天中止になるが、中途半端な時は困る。ある時も長考の結果登山を断念したが、遅刻してきた桐谷現五段は皆がいないので追いかけるつもりで一人丹沢山頂に。結局誰にも会えず(当たり前)昼食もなし、と散々。お疲れさまでした。

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山頂に登るまで楽しめたのだから…とは言っても、登ってみて車で来れる道路があったら、やはりかなり興醒めしてしまうだろう。

例えは非常に不適切かもしれないが、真っ暗なとても怖そうな山道を通って心霊スポットにたどりついたら、見に来ている人がたくさんいたような状態、のような雰囲気かもしれない。

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微妙な天候でのハイキングが開催されるかされないかの確認。

携帯電話のなかった時代なので、このようなことも起きた。

桐谷広人奨励会員(当時)が非常に真面目であったことがわかる。