将棋マガジン1990年5月号、駒野茂さんの「三段リーグ&奨励会NEWS」より。
昇段者の紹介
丸山忠久新四段は早稲田大学社会学部在学中(1年)。
大学生なら、友達に誘われて色々なスポーツ、趣味をこなすだろうなぁ~、と思って聞いてみたら、
「ない!」
の一言。じゃ読書や音楽鑑賞は?に、
「特に音楽は聞きません。読書は目が疲れるからしません」という返事だった。
丸山新四段は、対局(月4局)以外実戦を指さないと言う。それでこの強さは、どこに秘密があるのだろうか。
「読書は嫌いですが、将棋の本、特に詰将棋はよく見ます。あれは、読書というより、図形の問題をやっているようなものですから」
将棋を図形と見る、それが丸山将棋の真髄だったとは。
(以下略)
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奨励会時代、月4回だけの実戦(=奨励会例会)でこれほど強くなるのだから、理屈抜きでとにかくすごい。
将棋を図形と見ることよりも、(将棋一筋+大学の勉強も真面目にやる)というストイックさが強さの源泉のような感じがする。
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図形の問題も目が疲れると思うのだが、そうならないということは、図形が絵画のように見える境地に達していると考えることもできそうだ。
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数学は好きだったし大学も数学系の学科を卒業しているが、補助線を引くような幾何学の問題は昔から苦手だった。
補助線は霊感を持っていなければうまく引けないのではないかとまで思っている。
もしかすると、この辺が将棋が強くならない遠因なのかもしれない。
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丸山忠久九段は郷田真隆九段と同じ日に四段になっている。