羽生善治竜王(当時)「私は奨励会入会前後に読んだのですが、たいへんに面白く、おすすめの一冊です」

将棋世界1990年11月号、羽生善治竜王(当時)の連載自戦記〔第40回NHK杯争奪戦 対 大内延介九段〕「二転三転の一戦」より。

将棋世界1991年1月号より。撮影は弦巻勝さん。

 普段の対局は将棋会館で行われることが多いのですが、そうでないものがあります。

 タイトル戦やテレビ将棋がその一例です。慣れている将棋会館で指すのも良いですが、他の場所で指すのも少し気分が変わっていいものです。

 今回はNHK杯の将棋を見ていただきます。NHK杯はテレビ放映されますから、当然、時間も短くプロといえどもとんでもないミスをする時もありますが、それがまたテレビ将棋の醍醐味でもあります。さて、今回の対戦相手は大内延介九段。初戦から強敵です。

(中略)

 局面は大内九段の四間飛車、私の急戦で始まりました。

 大内九段の棋風は振り飛車党で豪快な捌きを得意とする将棋で、”怒涛流”と呼ばれています。

 決して意気地のない手は指さない、そんな印象があります。

 また、大内九段は将棋のルーツを訪ねて色々な国へ行き、そういう研究もされているようです。

 大内先生の本で非常に印象に残っている一冊があります。

 それは大内先生の修行時代の事が書いてある「決断するとき」という本で、私は奨励会入会前後に読んだのですが、たいへんに面白く、おすすめの一冊です。

(以下略)

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大内延介九段の『決断するとき』は、筑摩書房から1981年1月に出版された、少年向けシリーズ「ちくま少年図書館」の一冊。

羽生善治九段が奨励会に入会するのが1982年12月のことなので、絶妙なタイミングで刊行された書籍だと言える。

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『決断するとき』の書籍紹介は次の通り。

内容説明
野球好きの少年が、ふとした機会から専門棋士を志し、ついに棋王位をとるまでの物語。いまや、棋界の高峰九段となった若者が、決断のゲーム・将棋のおもしろさと、人生の「決断するとき」の大切さを説いた、ユニークな読物。

目次
1 将棋がぼくをとらえた日
2 専門棋士を志して
3 自立するとき
4 風雪に耐えて
5 勝負に生きる日々
6 初めて棋王位についたとき
7 将棋のルーツをもとめて

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『決断するとき』は「ちくま少年図書館」シリーズの56巻目。

1巻目が『恋愛なんかやめておけ』、2巻目が『恐しい本』と、なかなかアグレッシブなタイトルとなっている。

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40巻目が、原笙子さんの『不良少女とよばれて』。

1984年に放映されたTBS系、大映テレビ制作のドラマ「不良少女とよばれて」 の原作となった本だ。

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小学生の時に読んだ本というのは、大人になってからも内容をずっと覚えているものなので、、、と書いたところで、そうとは限らなかったことに気がついた。

私の場合だけかもしれないが、読みたくて親に買ってもらった本に書かれていた内容は今でも覚えているけれども、小学校の図書館から借りてきた本の内容はほとんど覚えていないということ。

読みたいと思う強さの違いが、買うと借りるの分かれ道だったのだと思う。

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決断するとき―将棋に生きる (ちくま少年図書館 56)

 

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