将棋マガジン1995年12月号、「日本将棋連盟・野球部VSサッカー部の対決!」より。
日本将棋連盟の野球部とサッカー部が、サッカーの試合をした。9月28日、場所は東京・幡ヶ谷にある渋谷区スポーツセンターにおいて。
普通に考えれば、おかしなことであるが、野球部”キングス”が、「野球じゃ勝負にならない。サッカーでも勝負にならないでしょう」と挑発。
サッカー部”ケ・セラ・セラ”は、「そんなことはない。では!」と、この運びとなったのである。(棋士は気合い負けをきらう)
無論、タダでやるはずはない。負けた方が二軍となる(◯◯ジュニア)とする条件でキックオフとなった。
20分ハーフで4本。この日は暑くちょっと厳しいコンディションで試合は進む。押し気味に試合を進めたのは野球部。キーパーの中川六段の、「それ行け!前へ前へ!」というかけ声がきいたか、自身もセンターラインまで上がっていた。
結果は4-3で野球部が勝利。サッカー部の敗戦の弁は、「野球部は正式な部員が7名しかいなく、助っ人の力に負うところが大きい。これは本番の勝負ではないから今度はきちんとやりましょう」と。
この対決、まだまだ続きそうだ。
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野球部対サッカー部の「テニス対決」のようなことならあり得ることだが、「野球じゃ勝負にならない。サッカーでも勝負にならないでしょう」とサッカー対決を挑んでくるのだから、野球部の押し出しの強さが凄い。
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開始時の写真。左側がサッカー部。
木村一基三段(当時)が笑顔で握手している。貴重な一枚。
サッカー部・深浦康市五段(当時)と鈴木大介四段(当時)のツートップ。
鈴木大介九段のサッカーの写真は、この一枚だけかもしれない。
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「キーパーの中川六段の、『それ行け!前へ前へ!』というかけ声がきいたか、自身もセンターラインまで上がっていた」
中川大輔八段の登山研での出発時の「出発!!!」という迫力のある掛け声を思い出させる。
中川六段はこのとき野球部部長。この掛け声が相当に勝利に貢献したのではないだろうか。
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「野球部は正式な部員が7名しかいなく、助っ人の力に負うところが大きい。これは本番の勝負ではないから今度はきちんとやりましょう」
助っ人の傭兵部隊が4人いて、この4人も活躍をしたということ。そういう意味では完全な形での野球部対サッカー部とはならなかったが、サッカーの上手な4人を探し出してくるのは、これはこれで大変なことだったと思う。
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下の写真には「うなだれるサッカー部員」というキャプションがついている。
中央の二人は深浦康市五段と鈴木大介四段と思われる。
それにしても、野球部の恐ろしい野望だ。