羽生善治棋王(当時)の年末年始

将棋マガジン1992年2月号、羽生善治棋王(当時)の「羽生善治の次の一手&詰将棋&クイズ」より。

将棋世界1992年3月号より、撮影は弦巻勝さん。

 今は目黒に住んでいますが、週末には必ずといっていいほど八王子の実家に帰ります。

 実家では本を読んだりビデオを見たり、くつろぐ時間がほとんどです。それと食事に気を遣わなくてすむので気楽です。普段は外食ばかりなので。独り暮らしに慣れてきたとはいうものの、やっぱり、いいですね。

 年末年始は予定がないので、実家で過ごそうと思っています。

 大晦日には家族で八王子のお寺に除夜の鐘を撞きに行く予定です。

 こうした時間を持てるのは久しぶりで、楽しみにしています。

* * * * *

今から29年前、羽生善治九段が21歳の頃。

自分が21歳の頃のことを思い出すと、東京で一人暮らしを始めて3年目、外食は楽しく(もちろん、食事のバランスなどに気を遣わない)、年末年始は形式的に実家へ帰っていただけで、家族で除夜の鐘を撞きに行くなどという発想は全く起きなかった。年が明ければ大学の友人などと酒を飲みに行きたくなり、早く東京に戻りたくなっていた。

比べたらバチが当たりそうだけれども、それに比べ羽生棋王(当時)、やはり、若くして、きちんとしている。

このような基本が元から身についていることが、将棋にも、将棋以外にも、大きな好影響が出ているのだと思う。