第21回将棋ペンクラブ大賞最終選考経過

将棋ペンクラブ大賞(第21回)最終選考経過の概略です。

ここでは最終選考委員の討議の結果を極めて簡略に記していますので、詳細な選考過程・討議内容については、9月発行の将棋ペンクラブ会報秋号をご覧ください。

○観戦記部門

木村晋介氏、川北亮司氏、西上心太氏とも一押しが後藤元気さん。

また、川北氏、西上氏とも二押しが大川慎太郎さん。

討議の結果、大賞:後藤さん、優秀賞:大川さん

○文芸部門

「機会の窓を活かした若き竜王」

木村氏…優と良の間

川北氏…優と良の間

西上氏…優

梅田望夫さんの「シリコンバレーから将棋を観る」(本年4月の発行なので来年度の選考対象作品)との関連も話し合われましたが、本作品は本作品だけで今回評価することとなりました。

「広島の親分」

木村氏…良

川北氏…良

西上氏…優

討議の結果、優秀賞:梅田さん、優秀賞:広島の親分

○技術部門

最終選考委員三氏とも、一押しが「イメージと読みの将棋観」 

討議の結果、大賞:「イメージと読みの将棋観」

○話題賞

渡辺(伊奈)めぐみさんのブログ「妻の小言」

最終選考委員三氏共通…とにかく面白い、可笑しい

木村氏…文章と文章の間(ま)がいい。才能感じる

川北氏…ツッコミのセンスが絶妙

西上氏…無駄な文章を省いた「省略」のセンスが素晴らしい

第21回将棋ペンクラブ大賞

○観戦記部門

[大賞]

棋王戦本戦3回戦(共同通信)

深浦康市-行方尚史  後藤元気   

[優秀賞]

名人戦第6局(朝日新聞)

羽生善治-森内俊之  大川慎太郎   

○文芸部門

[優秀賞]

機会の窓を活かした若き竜王 梅田望夫 (将棋世界)

[優秀賞]

広島の親分  森充弘 バトルロイヤル風間 (将棋ペンクラブ会報)

○技術部門

[大賞]

イメージと読みの将棋観  鈴木宏彦 (日本将棋連盟)

○話題賞  渡辺めぐみ

ブログ「妻の小言」に対して。

妻を求める広告

2006年将棋世界1月号を見ていたら、ビックリする写真があった。

越智信義さんの「明治 大正 棋界の歩み(中編)」より、明治42年9月29日萬朝報に掲載された、関根金次郎十三世名人(当時41歳八段)の妻を求める新聞広告。

===

師友棋客 関根金次郎氏(明治元年生)未だ内助なきに附 予等相計り良妻を媒介せんとす 師の手腕を愛し内助たらんとする夫人ハ封書紹介を乞ふ

容貌普通○年齢三十歳迄○資産の有無○係累なき者○身体強壮○関根氏ハ単身無係累

芝区琴平町六番地野口方

蓑太七郎

===

本文では、この広告についての言及はないが、蓑太七郎という人は関根派の新進気鋭の棋士。阪田三吉名局集(内藤國雄著)によると 、明治41年に阪田三吉に香落で敗れているので、相当な実力だったといえる。

当時、こういう求妻広告が一般的だったのかどうかはわからないが、関根金次郎八段は萬朝報の将棋欄の解説をしており、萬朝報読者にとっては知名度が高かったはずだ。

「係累」は、「心身の自由を束縛する、わずらわしい事柄。特に、妻子など面倒をみなければならない一族の者」のような意味。

「資産の有無」については、正しい意味はわからないが「資産の有無を問わず」ということだと思う。

この広告が、関根金次郎十三世名人の結婚に結びついたかどうかは不明。

ちなみにWikipediaによると関根金次郎13世名人は4月23日生まれ。旧暦かもしれないので何ともいえないが、新暦の4月23日生まれは、年齢順で、高橋道雄九段、船戸陽子女流二段、渡辺明竜王、熊倉紫野女流初段と、極めて豪華な4月23日。