第21回将棋ペンクラブ大賞のおおまかな速報

昨日(7月18日)の将棋ペンクラブ大賞最終選考会において受賞作が決定いたしました。

最終選考委員は、木村晋介氏(弁護士・エッセイスト)、川北亮司氏(児童文学作家)、西上心太氏(書評家)の3名です。

報道各社へのリリースが連休明けの7月21日となるので、このブログでの受賞作発表は7月21日の20:00となります。

観戦記部門、文芸部門、技術部門、あわせて5作品の入賞です。

また、2008年度、文章・表現面で顕著な活躍をされた方、お一人に「話題賞」が贈呈されます。

詳細は7月21日20:00をお待ちください。

天ぷらとケーキ

一昨日のうなぎに続いて、今日は「天ぷらとケーキ」。

1999年近代将棋5月号、池崎和記さんの「普段着の棋士たち(関西編)」より。

関西将棋会館で谷川浩司九段-加藤一二三九段のA級順位戦(ラス前)があった日の出来事。

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夕休再開後、三階控室の研究をのぞいていたら、入り口付近で加藤九段がうろうろしているのが見えた。

「何かご用でしょうか」と聞くと、「だれかケーキを買ってきてくれないでしょうか」とのこと。

その声が聞こえたのか、部屋の奥から「いい子がいます!」と神崎健二六段(当時)の声。

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ここで出てきたのが、橋本三段(15歳)。

当時の記録を調べると、橋本三段は、現在の橋本崇載七段ということになる。

加藤一二三九段の注文は「ショートケーキ3個」。

この時間になると、関西将棋会館の近所の洋菓子店は閉まっているということで、橋本三段はホテルプラザへ走った。

梅田のホテルプラザは1999年3月に閉鎖されているので、閉鎖直前の話だ。(関西将棋会館の近所にホテル阪神ができたのは1999年4月)

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あとは塾生から聞いたのだが、加藤先生は夕方、天ぷら定食を注文したのに、なぜか天ぷらを食べ残していたそうだ。順位戦は長い将棋だから、そのぶん、ケーキで栄養補給しようということだったんだろう。

ところが、勝負が終わってから対局室をのぞくと、ケーキは二つ残っていた。あれれ、どうなっているの。

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勝負は谷川九段の勝ち。感想戦が終わってから、池崎さんは谷川九段と飲みにいく。

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そこで私がケーキの話を持ち出すと、谷川さんは、あきれた、という顔をしてこう言った。

「加藤先生は四時ごろ、ケーキを二つ食べていましたよ」

うーむ。ということはケーキは全部で五つ頼んだのだ。天ぷらを残したワケが、これでわかった。

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ケーキを二つ食べたあと、2時間後に天ぷら定食を食べたが食べきれず、しかし夕休再開後、やはり空腹になったので深夜の分まで見込んでケーキを三つ追加注文して、結果的に二つ残したのかもしれない。

棋士は長時間の対局で1~2㎏体重が減るという。

タイトル戦で出されるおやつは、実際面でも有効に機能しているのかもしれない。