羽生善治名人の初著作は1991年に発行された「ミラクル終盤術」。
将棋マガジン1988年1月号から連載された「寄せの構図」を転載したもので、全部で15章。
本論に入る前の、各章の冒頭の羽生五段の文章が興味深い。
18歳の頃の羽生名人の感じ方と日常。
今日から数回に渡り、そのいくつかを紹介したい。
[第1章]必死の研究
本書の執筆前編集の方が”独特な終盤感覚で棋界に新風を吹きこんだ天才、羽生善治が、終盤の寄せの構図を披露…”と宣伝コピーを書いていたのですが、あまりにも大袈裟なので思わず吹き出してしまいました。
この講座では終盤をテーマにするわけですが、終盤が強くなるためにはどうしたら良いのでしょうか。
一つには詰将棋です。
詰将棋には王様を詰ますテクニックがつまっています。
アマチュアの有段者の方でも、詰将棋の苦手な方は案外いると思います。そういう方は、まず簡単な一手詰め、三手詰めから始めるのが良いと思います。
そして、もう一つは実戦です。
”習うより慣れろ”という言葉があるように実際に戦ってみるのが良いようです。
そして最後にこの講座を読めば、鬼に金棒となるわけです。
—–
私はこの本を1996年に買った。
1991年に第1刷で1996年に第12刷だから、かなり売れた本なのだろう。
終盤力の弱い私が終盤力強化のために手に入れたのだと思う。
しかし、あまり読むこともなく「ミラクル終盤術」は本棚に埋もれてしまう。
あまりに高度な内容だったのだ。
実戦例での解説が多く、終盤四段以上の力を持つ人が読んで役に立つような本だ。
ミラクル終盤術―寄せ手筋をパターン化して詳解 価格:¥ 924(税込) 発売日:1991-03 |
—–
バトルロイヤル風間さんのブログの将棋ミュージアム似顔絵、第22弾、23弾、24弾が公開された。女流編開始。