実録:社会人団体リーグ戦の一日(前編)

6:30

起床。

今日は社会人団体リーグ戦。

昨日の土曜日は17:00から飲み会があった。

とても楽しい時間はあっという間に過ぎ、家に帰ったのが3:00過ぎ。

寝たのが4:00過ぎだったので、あまり眠っていないことになる。

不思議なことに二日酔いにはなっていない。

あんなに飲んだのだから二日酔いにならなければ変なわけで、昼頃に急に二日酔いが襲ってくる恐れがある。

7:00

この日のブログを書き始める。

8:00

入浴。

8:40

家を出発。

9:35

浜松町駅を降りて海岸通りの交差点で信号待ちをしていると、将棋ペンクラブ幹事の荒幡さん夫妻と遭遇。

荒幡さんは今回初出場となる「将棋ペンクラブチーム」のキャプテンだ。奥様とは大学時代に知り合い恋愛結婚。荒幡さんは小説を何作か上梓している。

奥様は、古手川祐子さんをエキゾチックにしたような雰囲気の美人で、やはり会場内に新設される将棋ペンクラブのブースで受付を行うことになっている。

9:40

浜松町の会場に到着。

エレベータのドアが開くと、真正面に将棋ペンクラブのブースがあった。アカシヤ書店の星野さんが笑顔で座っている・・・

今回は、LPSAのブースと、ねこまどのブース、そして将棋ペンクラブのブース。

10:00

私は例年通り「原宿カサブランカ」チームからの出場。原宿カサブランカは今期も3部リーグ。

開会式が始まる。

はじめに所司和晴七段・東京アマチュア将棋連盟顧問のあいさつ。

10:05

社会人団体リーグ戦は、1部リーグから5部リーグまで144チーム、1000人を超える出場者だ。

社会人団体リーグ戦を主催しているのは東京アマチュア将棋連盟。

理事長の今西さんの髪型が、中世ヨーロッパの音楽家のような髪型になっていた。もともと今西さんは芸術にも造詣の深い方だが美術のほうが専門。来月どのような髪型に進化しているのか楽しみだ。

10:20

第1局開始。

二日酔いにはまだなっていない。

私の先手で▲7六歩。

指しながら昨日の飲み会のことを思い出す。

△3四歩。

昨日の飲み会はバトルロイヤル風間さんたちと一緒だった。

バトルさんお勧めのツアー。

▲9六歩。

一軒目は「ジョナサン」。亀戸のジョナサン独特の格安メニューだ、酒とつまみのセットで500円。それを一人当たり2回転。

△9四歩。

二軒目が圧巻。亀戸天神のそばの中国料理店で、酒と料理の組み合わせで550円。例えば単品で300円の酒類と750円のエビチリがセットだと合計で550円。

しかし△9四歩と相手にしてくるとは、相手は振り飛車党なのだろうか。

▲1六歩。

なぜあのような料金設定ができるのだろう。料理も満足できるものだった。中国人ならではの商売上手さなのだろうか。絶対に酒を頼め、というセット価格だ。

△1四歩。

これで居飛車穴熊の目は消えた。

それにしても、あの中国料理店ではセットを何回転もさせてよく飲んだ。

▲7五歩。

三件目は錦糸町の海鮮居酒屋だった。よく飲んだ。

・・・その後、私の石田流本組み対居飛車銀冠の展開に。

中盤の入口での大胆な攻めが決まり、私が優勢の局面。

△5五馬。

ここから△3六桂の狙いか。ふん、露骨な筋だ。

それよりも、その後に行ったインド料理店、ナンを頼むよりもライスのほうが良かったかなと思ったりする。

▲6三歩成。

△3六桂と打たれたって後手の持ち駒は大したことないので寄りはしない。ここは強気で行くべきだ。

それよりも、昨日はとても楽しかった。

△3六桂。

あ、打ってきたかー。強引な指し手だなあ。玉を斜めに逃げればいいんでないかい。

それよりも、ほうれん草とチキンのカレー、初めて頼んだな。

▲1七玉。

マトンカレーも、また食べたい。

△1五歩

あれっ、寄っているのかな?

あやや。

・・・数手後、私の投了。

トン死に近い寄せられ方。

10:50

私は、勝つ時も負ける時も勝負が早い。

対局中に煩悩が渦巻いていては敗れるのも当然である。

簡単に感想戦をして、反省をしながら席を立つ。

10:51

LPSAのブースに石橋幸緒女流四段のお母様がいたのでご挨拶をする。

「あれっ! また一段とお若くなられたのではありませんか?」

「あなた、目がどんどん悪くなってるんじゃないの」

それでも石橋女流四段のお母様は、満更でもなさそうな顔をしていた。

将棋ペンクラブ交流会にも来ていただいた船戸陽子女流二段。

「あれっ、将棋ペンクラブチームからの出場じゃなかったんですか?」

「そんなそんな、私はお父様が創設した原宿カサブランカに操を立てて幾年月。喜びも悲しみも幾年月」。

二日酔いになっていない理由がわかった。私はまだ少し酔っているのだ。

10:55

将棋ペンクラブのブースに到着。荒幡さんが一人でいる。

私は聞いた。

「ペンクラブチームの様子はどうですか?」

「僕は負けてしまいました。でも、聞いてくださいよ。星野さんが勝ったんです」

「ええええっ」

アカシヤ書店の星野さんは、古棋書については世界一の権威だし将棋についても造詣が非常に深いが、それに反比例して指し将棋は決して得意とは言えない。

11:00

将棋ペンクラブチームの対局の様子を見に行く。

チームの基本姿勢は「勝敗にはこだわらず楽しく将棋を指す」。

ところが、将棋ペンクラブチームが対局している場所がなかなか見つからない。

それもそのはず、私は5部リーグの中を探していたのだ。

チーム今期の4部陥落は想定内であり、安住の地である5部、あるいは将来新設されると噂されている6部で伸び伸びと将棋を楽しむのが、当面の目標。

とは言え、私も気が早過ぎた。

11:10

ブースに戻ると、星野さんがまるで大好物のタコを食べている時のような満面の笑顔。

「へへへ、勝っちゃったよ。俺が勝つなんておかしいよね」

かなり嬉しそうだ。

11:15

中倉彰子女流初段と立ち話をする。

実は、私はひそかに中倉彰子女流初段のファンなのだ。

話をしながら緊張する。

私の話した冗談を笑ってくれた。

今年の嬉しい出来事トップ3に入るかもしれない。

11:40

原宿カサブランカは3勝4敗で敗れる。

チームのメンバーと「ゆで太郎」へ。

豚丼セットを注文する。

12:30

第2局開始。相手チームは今年から参加の「HSY28」。

明るい雰囲気の好青年が集まったチームだ。

私の石田流に対して相手は右四間。

相手の方に見落とし(トン死)があり、早い段階で私が勝つことができた。

家に帰ってからわかったことだが、HSY28は橋本崇載七段が作ったチーム。

→棋士らしくないブログ HSY28

今後の活躍が楽しみだ。

13:00

将棋ペンクラブのブースへ行くと、星野さんがニコニコしていた。

まさか、、、聞いてみると、星野さんは第2局も勝ってしまったらしい。

信じられない。

(つづく)