2003年の奨励会旅行(関西編)

近代将棋2003年12月号、「激闘奨励会」の関東・関西研修合宿レポートより。

今日は川崎大地指導棋士二段(当時)による関西編。

 9月30日9時半、連盟4階和室に集合。この部屋はいつも例会が行われる場所ですが今日は合宿。ズラリと並ぶ盤がないと違って見えます。例会の朝は皆ピリピリしていて勝負師顔ですが、談笑している姿は普通の青年そのものでした。

 今日のメインは嵐山竜安寺(京都市右京区)での座禅です。

 竜安寺は臨済宗(禅宗)妙心寺派の古刹で1450年に建立されたものです。

 見事な庭園は”虎の子渡しの庭”の名で知られ自問自答の修練の場です。まず、住職より説法を聞きます。

住職「ここに来て座禅して将棋が強くなると思うか!」

一同「ならないと思います」

住職「落ち込んでいる時と普段とどちらが本当の自分だと思うか?」

西川1級「普段です」

安用寺四段「両方です」

住職「どうだ。足も痺れてきてしんどいだろう」

阪口三段「しんどいです!!」

豊島二段痺れます」

―将棋の時とはちゃうんかいな? 心の中で突っ込みそうになりました!?

 場所を移し次は禅堂に入ります。半畳がたくさん並べられたここは独特の空気があり気がひきしまります。筆者はなんとなく皆の様子を伺っていたのですが有段者陣はなかなかのもので精神的にも鍛えが入っているのだなと感心。一方、筆者の前の横田7級が泣きそうな顔になっています。更に都成4級はうとうとし始めています!(中学生には厳しいようです)

 いつも長時間座ることに慣れているはずの会員ですが少し勝手が違ったようですね。

 座禅終了後京都市内のホテルに移動。宴会場での夕食もそこそこに将棋大会が行われます。

 今回は自由参加にしたため10名程は参加せずに談話室の方に流れました。将棋を指さないのは残念な気もしますが例会以外ではなかなかゆっくり話すこともない仲間たちだけに交流を深めるのも今後に大きい気がします。

 さて、トーナメントですが28名が参加。筆者も現役には失礼ながら参加させてもらいました。

 8分切れ30秒の短い持ち時間ですが9時から始めたため、深夜1時まで熱戦が繰り広げられました。

(中略)

 奨励会幹事は会員の勝負を厳しく見届けていますが盤側を離れれば良き相談者になっています。写真は井上八段を囲んで談笑している風景です。井上先生の大らかな語りは冗談で笑わせつつも一本の芯を後輩に教えています。

 アルコール手伝って皆饒舌になっていますが「東京の三段もそんなに大したことないで~! みんな気合入れなあかんで!」井上先生の言葉には、なんとなく全員うなづいていました。

 話題は将棋界のことから本当にどうでもいいことまで様々でしたが、関西の先輩、後輩それぞれが色々なことを考えぶつけあっている空間で数年後の将棋界は作られるのだろうなと思います。

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この当時の関西奨励会は、阪口悟三段(25)、村田顕弘二段(17)、牧野光則二段(15)、豊島将之二段(13)、糸谷哲郎初段(14)、船江恒平初段(16)、稲葉陽1級(15)、西川和宏1級(17)などのメンバー。

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座ることに慣れている奨励会員が座禅では苦労するというところが面白い。

とも思ったが、正座と座禅では座り方が違うので、全く異質なものなのだろう。

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Wikipediaによると、臨済宗は、疑問を抱きつつ坐禅することにより悟りに至るという立場を取っているという。

これに対し、曹洞宗は何かの目的のための手段として坐るのではなく、坐禅そのものが目的であり、坐ること自体に集中する立場を取っている。

この旅行の嵐山竜安寺は臨済宗なので、冒頭のような問答が行われたのだろう。

「このような足が痺れて眠くなるようなことが、将棋の何に役立つのだろう?」と疑問を持ってもらうことが大事な初期設定なのだ。

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日常生活で足が痺れるような機会はなかなかないが、眠くなるようなことはたくさんある。

冬場の今の時期、暖房の効いた電車に座っていると眠くなることが多い。

電車の中や会議の最中など、人前で眠ってしまった場合、どのようなケースが恥ずかしいかと考えてみたことがある。

隣の人に寄りかかるのは論外として、

4位 鼾をかく

ありそうでないのが鼾をかくこと。女性が鼾をかいているのは可愛いが、男性の鼾は雑音にしかならない。しかし、電車の中でも会議中でも鼾をかいている人は意外と非常に少ない。

その希少性のゆえにかえって目立ってしまう。

3位 寝言を言う

電車内では”変な人”で済まされるが、会議中に寝言を言ってしまったら、かなりダメージは大きい。まだそのような人は見たことがないが。

2位 うなされる

怖い夢を見てうなされることがある。これを電車内でやってしまったら、「今日、電車の中でうなされていた人がいたよ。しんじられなーい」と、乗り合わせていた女子高生が学校へ行ってネタにしてしまうだろう。

会議中にやってしまったら、3年間は立ち直れないと思う。

1位 金縛りにあう

金縛りに心霊的なことが関連するのかどうかは別として、金縛りになると、声を出したくても出せなくなる。「…ウッ……ヴ…………ウゥ………」のような感じ。

電車内でやってしまったら、乗り合わせていた女子大生がtwitterで「電車の中で金縛りにあってた人がいた((((;゚Д゚)))))))」のようなtweetをするレベル。

会議中にやってしまったら10年間は伝説になってしまうだろう。

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人前で寝てしまうのは仕方がないことだが、寝言、うなされ、金縛り、には注意したいものだ。

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