将棋世界1998年6月号付録、「全棋士出題次の一手 子供の頃の得意戦法」より。木村一基四段(当時)の項。
=ヒント=
今の私なら一目なんですが。
〔解答〕 ▲2四歩
将棋を覚えてからはじめて興味を持ったのがこの棒銀戦法でした。攻めて、攻めて、攻め倒す。それが当時の私の棋風に合っていて、愛用していました。本の通りうまくいくと気持ちいいんです。
子供の頃、十五年くらい前は、「必勝ナントカ戦法」といった題名の戦法書が多く、それで勉強した記憶があります。
これは余計なことなんですが、その必勝ナントカ戦法を書いた人がNHKのテレビの解説で「将棋に必勝法はない」と云っていたのを聞いて「こりゃあウソだ」と思ったことを思い出しました。
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矛盾ということについて真面目に考えたことがある。
どのような盾でも突き通す剣、どのような剣も弾いてしまう盾。
この二つがぶつかった時にどうなるのか。
剣は盾を半分突き通すが、その際に剣はボロボロになる。
盾を持っていた戦士は、全治1週間の傷を負う。
こういうところが落とし所かな、という結論に至った。
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攻めて、攻めて、攻め倒すことが好きだった少年時代の木村一基八段。
苦難の奨励会時代を経て、受けの名手に変貌を遂げる。