久保利明四段(当時)「そ、そんなんいつしました?」

阿部隆六段(当時)と久保利明四段(当時)の会話。

将棋世界1994年6月号、神吉宏充五段(当時)の「対局室25時」より。

「ついに久保君がスキューバ始めることになりましてね」。阿部が横にいる久保を見ながらこう言った。久保は違う違うと手振りしながら否定する。

 おそらく阿部は自分の好きなスキューバ・ダイビングの仲間を増やしたいのだろう。魅力ある言葉を重ねていく・・・。

「女の子の友達ようけ出来るで」

「いや、ちょっと・・・」

「水着の女の子ばっかり見れてええぞ」

「はあ、でも」

「おかしいなあ、これだけゆうて女たらしの久保君がなびかんとは・・・」

「だれが女たらしですか! 歩をタラすのは得意やけど」

「ほほう、シラ切るか。俺だけが握っている秘密があるねんぞ」

「ほんまかいな」と私。

「久保君ウマが好きで、よく一緒に競馬場行くんですけど、そこでナンパしまんねんコイツは」

「どないゆうて声かけんねん?」

「何買うんですか? 僕はこれ買うんですけどゆうて、会話を楽しみながらナンパしよるんですわ」

「そ、そんなんいつしました」。そう言って手に持っていた何かの券をギュッと握る。そして「あっ!」。

 どうやら阪神競馬場の入場券を破ってしまったようで、悔しそうな表情。うーん、先輩の巧妙な口撃にまんまと嵌ったか久保大明神。彼がスキューバを始める日も近いか・・・。

—–

スキューバ・ダイビング、とても楽しそうだ。[E:shine]