将棋マガジン1993年12月号、鹿野圭生女流初段の「タマの目」より。
棋士室でA級順位戦を皆で検討している。
淡路八段「ここで向こうはどう指すのん」
一同「難しいですね」
村山七段「いい手があるんですよ」
淡路「エッ、何?」
村山「・・・」
平藤四段「それ、村山君の口癖やねん」
タマ「はっはあー。言うてから、考えてるな?」
淡路「なんや、何もないんかいな」
―数手、局面が進む―
村山「あれ? これ詰んでるんじゃないの」
一同「エー? こんなんでいきなり詰むの?」
村山「こうやって・・・」
一同「すごーい。さすが、村山君」
村山「でも◯◯先生はここで受けに回りそうな気がする」
タマ「あ、指した。やっぱり受けはった」
村山「やっぱり。◯◯先生は銀捨ては考えなくても、金受ける手とかは、絶対考えるからなぁ」
村山七段の強さを再認識した一コマでした。
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故・村山聖九段の、棋士室での典型的な一コマ。
詰み筋を指摘するばかりではなく、棋風からその棋士の指し手まで予想するところがすごい。
故・村山聖九段が今のネット中継時代に大盤解説をやったら、相当な反響があることは間違いないだろう。