林葉直子倉敷藤花(当時)が羽生善治五冠(当時)に質問する。
将棋マガジン1994年1月号、「林葉直子からの35の質問」より。
問27 林葉直子と一日デートするとしたら、どんなコースをたどるか?
羽生 林葉さんとなら何も決めずに行きますよ。会ってその場で相談しても十分です。林葉さんは辛いものが好物のようですから、例えば、激辛のカレーをどんなふうに食べるのか。一度見てみたいですね(笑い)。
問28 将棋をまったく知らない女の子に激しい恋をしたらどうするか?
羽生 イヤ、アタックするでしょうね。将棋は教えないと思いますよ。教える必要はないでしょう。
問29 クラクラするようなすごくかわいい女の子に「羽生さん素敵!!」と天使のように微笑まれたらどうするか?
羽生 ドキドキするんじゃないですか。(ポッと顔を赤らめる)
問30 彼女とのデートに遅刻した。どんなウソをつくか?
羽生 ウソはつきません。悪かったとあやまります。
問31 好きな女の子に花を送るとしたらどんな花?
羽生 花の種類をあまり知らないんで、花屋さんに行って決めるでしょうね。
問32 母の日にプレゼントしたか?
羽生 いいえ。特別の日だからプレゼントするのは、おかしいような気もします。
問33 お母様によく言われる小言はあるか。
羽生 あまり言われません。
問34 女の子に「将棋ってオジンくさい」と言われたら、何と答えるか?
羽生 それは情けないですね。でもいずれ変わると思いますよ。将棋の面白さは必ず理解される。
問35 最後に、女流棋士へのメッセージを。
羽生 今でも十分にやってらっしゃると思いますけど、まだまだ将棋に関しても他の面に関しても、眠っている能力がたくさんあるような気がしてるんで皆、頑張ってほしいです。
強くなるには、女流棋士同士の対戦を離れて自分をレベルアップすることを考えるべきです。男性棋士、奨励会員、アマチュア強豪などと積極的に指してみてはどうでしょうか。素質はあるのに、惜しいな、と思う女流棋士の方もいますから、ぜひこの方法で腕に磨きをかけてほしいですね。
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羽生二冠が畠田理恵さんと初めて出会うのはこの年の9月のことなので、まだ意中の女性がいない頃の話。
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林葉直子さんが六本木でカレー店「ウーカレー」をやっていたとき、何度か行ったことがある。
この店の裏メニューに「青唐辛子カレー」というものがあった。
文字通り、青唐辛子の辛味成分がふんだんに入ったカレーだ。
私も辛いものはかなり得意なほうだが、この青唐辛子カレーだけは、少し食べただけでギブアップしてしまった。
まさしく口の中が焼けるような感じ。
当時の林葉さんは、このカレーを平気で食べていたらしい。
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問34は、まさしく羽生五冠(当時)の予言通りになっているし、そのようになったのも、羽生二冠の活躍によるところが非常に大きい。
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4日間にわたって紹介したこの35問、他の棋士にも同じ質問をしたら、非常に面白いと思う。