第24回将棋ペンクラブ大賞贈呈式の一日(後編)

19:15

パーティーが始まる。

私はビールが苦手なのではじめからウイスキーの水割り。

19:20

三浦弘行八段とお話をする。

観戦記のことや女性ファンのことなど。

三浦八段は、今年4月の名人戦のニコニコ生放送解説で”みうみう”としてブレイクしてから、より一層、懐が深くなったような感じがする。

私は去年から抱いていた疑問を三浦八段にぶつけてみた。

「去年の将棋年鑑で好きな料理を”きのこ料理”、今年の将棋年鑑で好きな食べ物を”きのこ”と答えられていますが、きのこ料理とは具体的にどのような料理なのですか?」

ロシア料理に”壺入りきのこ”という料理があるが、これはキノコも入ったボタージュスープのようなものでキノコが主役ではない。

”松茸の土瓶蒸し”もあるが、これは料理というよりも酒のつまみ。

きのこ料理という言葉から思い浮かぶメニューが見当たらないのだ。

三浦八段は答えてくれた。

「きのこ自体が好きなんです。いろいろな料理に入っているきのこが好きなんです」

なるほど。

「でもナメコだけは好きでも嫌いでもないといったところです。それから毒キノコは嫌いです」

三浦八段ファンの女性の方なら、絶対に知っておいたほうが良い情報だ。

19:35

大庭美夏女流1級とプロレスのお話。

大庭美夏女流1級のプロレス好きは有名だが、特にDDTという団体の話題になる。

DDTはエンターテインメント色の強いプロレス団体で、男色ディーノ、ゴージャス松野などの超個性派レスラーも所属している。

私もDDTの試合は、DDTフリークの友人に連れられて6回ほど見に行っている。

例えば男色ディーノは、入場する時、会場にいる多数の男性観客にキスをしまくる。

私は幸いにも被害に遭ったことはない。

19:45

会は盛況。

参加者数が特に多かったわけではないが、非常に賑やかで密度の濃い雰囲気。

私も水割りが進む。

19:50

来場棋士からの祝辞。

面白いスピーチが続く。

会の模様がネット配信されていれば、喜ぶファンの方も多いだろうなと思った。

20:10

木村一基八段とお話をする。

木村八段には先月とてもお世話になったので、そのお礼もする。

木村八段も三浦八段も、贈呈式には何度も来ていただいているが、木村八段と三浦八段の同時出席というのは2005年9月以来。

この時、竜王戦挑戦者決定三番勝負(木村-三浦戦)が行われる前の週だった。

「あの時、三浦君と四ツ谷駅でバッタリ遭遇したので僕が声をかけると、三浦君は全く無視。

贈呈式の会場内でも僕を避け続けていた」

と、木村八段は笑う。

木村八段と三浦八段は年齢的に学年が同じで仲も良いが、大きな勝負を前に、三浦八段は勝負師モードに入っていたのだろう。

「あの翌年の1月、NHK杯戦の森下-三浦戦の観戦記を書かせていただいたのですが、その時の解説が木村先生でした」(→三浦弘行八段の真骨頂

と私が話すと、

「ああ、あれは森下先生が振り飛車にした一局でしたね」

と木村八段。

「普段なら終わったあと皆さんとお昼ごはんをご一緒するのですが、あの時は用事があってお先に失礼した日でした」

そうだった。あの日は編集担当の小暮さんが森下九段と、私は三浦八段と昼食に行っている。

6年以上前のことを正確に憶えている木村八段の記憶力に、私は驚くばかりだった。

その後、木村八段は、佐藤圭司さん達とともに夜の街へ。

20:25

角建逸さんと久々にお会いする。

角さんは元・将棋世界編集長で、1993年には「詰将棋探検隊は行く」で将棋ペンクラブ大賞一般部門佳作を受賞されている。

私は、角さんが日本将棋連盟手合課長だった16年前に仕事でお世話になったことがある。

角さんは現在は詰将棋書籍の編集・発行を行なっており、谷川浩司九段の『月下推敲』も角さんが関わっている。

20:30

中締め。

そういえば、飲んでばかりであまり食べていなかった。

それだけ会話が弾んだ会だったといえる。

素麺があったので、生姜をたくさん入れて食べる。

20:45

それぞれの二次会へ。

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ご来場いただきました皆様、本当にありがとうございました。