NHK杯戦の伝説「電光石火の金取り」

近代将棋1994年2月号、加藤一二三九段の自戦記「佐藤竜王とのNHK杯戦」より。

 今月は、昨年度のNHK杯戦の将棋を解説したいと思う。NHKの将棋番組は、幸いにして大好評を得ていて、私もよく初対面の人からもテレビ対局の話を聞く。そんな折によく出される話題が、故・大山十五世名人と私の対局である。この話の時の対局は私が王手王手と寄せに出ればきっと勝っていたはずなのに、まあ一手受けに回ってから、次の瞬間に勝ちを決めようと思って、▲8八金と寄ったところが、何と大山名人にこの金を角で取られて、私が投了した将棋である。つまり▲8八金△同角成の瞬間に▲同玉▲同角の何れも△8七金打ちまでの詰みだったわけだが、私がおもしろいと思うのは、話す人が必ず大山名人の金を取る時の手つきの素早かった点を強調される事である。私は大山名人と度々戦っていて、感想戦の時の駒のやりとりもてきぱきとしていたのを、常々感心していたので、このNHK杯戦でも特に驚きはしなかった。

 大山名人は、手の動作を早くするために、和服の仕立ても短めに工夫していた人である。しかしそれにしても、このよく話題になる金取りは、誰の目にも分かるほど、より早かったようである。

(以下略)

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この加藤一二三九段の大トン死は、1979年NHK杯戦3回戦でのこと。

15年度の1994年当時でもその話題が出るほど凄かった大山康晴十五世名人の金を取る早さ(速さ)。

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今日発売されるNHK将棋講座4月号の別冊付録は「NHK杯出場棋士名鑑①」。

その中の各棋士への質問の4番目に、「自分の対局に限らず、NHK杯戦の将棋で印象に残っている局面とその理由」があり、森内俊之竜王名人と谷川浩司九段がこの加藤一二三九段-大山康晴十五世名人戦の”金取り”と答えている。

それほどインパクトのある早さだったのだ。

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NHK将棋講座の別冊付録「NHK杯出場棋士名鑑」は4巻(7月号)まで続くという。

とても面白く、ファンの方にとってはたまらない内容ばかり。

三浦弘行九段と橋本崇載八段の「NHK杯戦に出るときに特に気をつけてやっていることは?」に対する回答や佐々木勇気四段の「趣味や愛読書など」への回答などは突っ込みどころ満載だ。

本当に素晴らしい企画だと思う。

   

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