将棋世界1982年8月号、芹沢博文八段(当時)の「棋士の近況報告」より。
一番暇な一週間の行動表。
一日目 7時19分発ひかりにて京都~琵琶湖競輪場、終日遊び。京都グランドホテル泊。
二日目 琵琶湖競輪場、夕刻帰京。
三日目 8時30分羽田発長崎~雲仙。講演。泊。
四日目 7時ホテル発~長崎空港10時発で大阪行。琵琶湖競輪場、17時17分京都発で帰京。アイアイゲームスタジオ入り。
五日目 17時30分、あなたは名探偵収録。19時五月みどりさんと対談。
六日目 琵琶湖日帰り。
七日目 13時~15時連盟。16時より日本テレビ収録。
―追記―将棋を指さない将棋指し。厭味ですねエ。この他、毎日酒。パーティ5つ。
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非常に忙しく見えるが、琵琶湖競輪場へ行くのを休暇と考えれば、7日のうち3日間は完全休養日という計算になる。
芹沢博文八段(当時)が「一番暇な一週間」と書いているのも、決してオーバーな表現ではないことがわかる。
琵琶湖競輪場(大津びわこ競輪場)は2011年3月に開催廃止となっている。
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芹沢八段は、この期に全敗宣言をするのだが、それはもう少し先のこと。
「順位戦で全敗してもクラスが落ちず(当時はC級2組からの降級制度はなかった)、それで給料を貰えるのはおかしい」という意見が背景にあったようだ。
クラスで人気者で成績も良い生徒が、急に全ての試験で白紙答案を出したり、先生に反抗的になったりするような展開を更にシリアスにしたイメージ。
細かい事情はわからないけれども、盤上・盤外とも芹沢八段にはそれまで通りにやっていてほしかったと個人的には思う。