控え室の丸山忠久九段

NHK杯戦控え室シリーズ、今日は番外編を。

私が書いた観戦記、NHK将棋講座2014年5月号、第63回NHK杯将棋トーナメント準決勝 大石直嗣六段-丸山忠久九段戦「丸山流の新対策」より。

 控え室での丸山は、一番奥の席に座っていたにもかかわらず、ニコニコと関係者の雑談に耳を傾け、時には声を出して笑うようなこともあった。自ら話すことはないけれども、そこにいることが楽しそうな、周囲の誰をもほのぼのとさせる雰囲気。

丸山はインタビューで「いつもどおり自然体で集中して本局も頑張りたいと思います」と話しているが、対局前の丸山も特に精神統一などすることもなく、ふだんのままの自然体なのだ。

(以下略)

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この日は準決勝だったが、和やかな雰囲気の控え室。

大石直嗣六段は控え室に入るなり、先に控え室に入っていた丸山忠久九段に「こんにちは」と爽やかな挨拶をした。

丸山九段も笑顔で即座に「こんにちは」。

いっぺんに、控え室の雰囲気が温かくなった。

丸山九段も大石六段も私にとっては初対面。

大石六段は、師匠の森信雄七段のブログやお父様の日記を事前に読んで感じたイメージ通りの、非常に温厚で優しい好青年だった。

謎の部分が多いと言われる丸山九段だが、大石六段へ返した丸山九段の「こんにちは」を見て、その自然さ、その表情、声の調子などから、私の丸山九段に対する好感度が一気に上昇した。

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解説者は大石六段の兄弟子の片上大輔六段。

大石六段も交えて、番組プロデューサーなど関係者との雑談に花が咲いていた。

丸山九段は一人離れて控え室の奥の席に座っている。

少し経って、番組プロデューサーが面白い話をして皆が少し笑った時、想定していない方向から笑い声が聞こえてきた。

その方向を見ると、控え室の奥の席に座っている丸山九段が笑っていたのだ。

例えば、レストランでいえば隣の隣の席のお客さんが、こちらの席の話を聞いて笑ってくれているようなイメージ。

丸山九段なら控え室では勝負に備えて瞑想をして精神集中するのではないか、というのは私の勝手な思い込みで、実際の丸山九段は、自ら話すことはないけれども、皆の雑談を普通に聞いていたのだ。

その後も、話が面白いところで丸山九段は声を出して笑った。

ここにいることが楽しそうな、周囲の誰をもほのぼのとさせる雰囲気だった。

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謎の部分が多いと言われる丸山九段だが、私の丸山九段への好感度は更に高まった。

それと同時に、謎の部分が多いと思っていたのは大いなる勘違いで、控え室で笑っている丸山九段も対局の時の丸山九段も普段の丸山九段も、何も謎がない、何も無理をしていない、全くの自然体のままであることを発見できた。

対局時の食事の唐揚げ追加も冷やし中華のチャーシュー追加も、やりたいからやっているだけだと思う。

丸山九段=常に自然体、と考えて対局も観戦すると、さらに観る楽しみが増えるのではないだろうか。

 

 

「控え室の丸山忠久九段」への1件のフィードバック

  1. 素敵なエピソードありがとうございます。
    ますます丸山九段が好きになりました。

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