定跡を信用しない「創造派の三強」

将棋世界2002年4月号、島朗八段(当時)の「やさしい序盤ストラテジー」より。

 ちょうど竜王戦七番勝負が始まり、東京の第1局で立会人の中田宏樹七段と一日目に横歩取りの話をした(私はNHK解説で昼間そんな余裕があった)。中田さんは読みの深さでいえば、私たちの年代では間違いなくトップクラスだ。また、自力真っ向勝負を身上としているため、定跡を信用しないことでは定評のある郷田棋聖、山崎五段と並ぶ「創造派の三強」と呼ばれている(私の中だけで)。そんな中田さんも最近は他の人の将棋も並べる勉強法を取り入れられたそうだ。この話を聞いた佐藤康光さんが「それは鬼に金棒ですね」と恐れているくらい、中田将棋は専門家間でとても評価が高い。

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郷田真隆九段、山崎隆之八段、中田宏樹八段、それぞれ棋風は異なるが、定跡やそれまでの成功例・失敗例を鵜呑みにすることなく、自ら道を切り開くスタイルであることが共通しているということだ。

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中田宏樹八段の将棋について、福崎文吾八段(当時)が絶妙なたとえ話で語っている。

福崎文吾八段(当時)によるユニークな棋士紹介(後編)

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郷田真隆九段、山崎隆之八段、中田宏樹八段、それぞれ若い頃はプリンス、王子、デビルと呼ばれていた。

ドラゴンクエストなどのロールプレイングゲームの世界の雰囲気が漂う。