近代将棋1984年6月号の広告より。
日本将棋連盟創立60周年記念行事「将棋の国で合宿!!」。
親愛なる宗主国、日本国民(将棋ファン)の皆様、心をこめて御来国をお待ち申し上げております。涼しい高原の木陰で棋力アップのため「将棋の国」国民になりませんか。
- 「将棋の国」開国期間/昭和59年7月~8月
- 国立将棋大学の開催(合宿)/入国のスケジュールに合わせ、大使(棋士)を教授として開講いたします。
- 入国資格者(参加)/小・中・高・大学生及び一般将棋部、将棋同好会、その他グループ
- 滞在費(宿泊費)「将棋の国」・王宮(ホテル)5,000円(三食付)・官舎(ロッジ)4,500円(三食付)(滞在費は予算により相談に応じます)
- 入国交通機関/上越新幹線・上越線 越後湯沢駅下車、バス浅貝行、苗場スキー場前下車
- 「将棋の国」付近の観光地/湯の沢渓谷、三国山、赤湯温泉、谷川連峰、平標山、苗場山
- 「将棋の国」付近のスポーツ施設/ゴルフ、テニス、野球、サッカー等(仕様希望者は事前に連絡して下さい)
- 国の場所「将棋の国」/苗場スプリングスホテル
- 入国申請(申込み)締切り/6月15日
- その他/パスポートによる特典あり
日本将棋連盟より大使(棋士)来る!!(原田九段/西村七段/土佐五段/依田四段/植山四段他)
「将棋の国」建国行事に高橋道雄王位・原田泰夫九段来る!!(昭和59年7月7日=建国前夜祭、8日=「将棋の国」初代王位即位式 1チーム3人のグループトーナメント、個人トーナメントにより初代王位決定)
後援:日本将棋連盟・新潟日報社
協賛:㈱日栄・㈱森下組・新潟銘醸㈱
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近代将棋1984年7月号、「棋界ミニ情報」より。
「将棋の国」独立?
仕掛け人は湯沢町・苗場スプリングスホテル支配人の川野豊さん。「スキーが終わると開店休業、夏場は音楽関係やスポーツ、勉強などの合宿を企画するが、いずれも単発で終わる。ひとつ将棋クラブの合宿を誘致してみたらどうだろう」と思い立った。
日本将棋連盟へ相談に行ったところ、話はトントン拍子。講師に高橋道雄王位を派遣することが決まり、いっそのこと「将棋の国」を建国して、全国に二千万人もいるという将棋ファンのメッカにしようということになった。
将棋連盟各支部の交流の場ともなり、通年観光にも結び付く名案だが、困ったことが一つあった。どうして湯沢が将棋の国なのかその理由がみつからない。苦肉の策で、苗場山の仙人と三国山の天狗が将棋を指した昔話を作り、急場しのぎ。建国式典には西蒲分水町出身の原田泰夫九段や南魚塩沢町出身の土佐浩司五段も出席する。
川野さんは「ことしだけでなく、毎年多くの将棋ファンが来てくれるようにし、町ぐるみのものにできれば……」と夢を語る。(新潟日報5月11日夕刊より転載)
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苗場といえば松任谷由実さんの冬のコンサートが連想される。
あらためて調べてみると、コンサートはスキー場ではなく、苗場プリンスホテルの中で行われていることが確認できた。
東京の盛り場で酒を飲み続けてきた私と、松任谷由実さんの音楽で描かれる世界は全く真逆のものであり、本当にすごいと思う。
苗場スプリングスホテルは、この苗場プリンスホテルとほど近い距離。
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三浦弘行九段は、小学5年の時に家族で「将棋の国」へ旅行に行き、そこで西村一義七段(当時)との縁ができて、西村門下となっている。
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この年の奨励会旅行も「将棋の国」で行われている。