将棋世界1988年1月号、「将棋連盟ニュース」より。
11月27日(金)、東京、副都心「京王プラザホテル」43階ムーンライトにて、「将棋ペンクラブ」の発足記念パーティーが開催された。
発起人は、安藤満氏(文藝春秋社)、井上光晴氏(作家)、梅沢英樹氏(新潮社)、大村彦次郎氏(講談社)、大山康晴十五世名人、加藤治郎名誉九段、河口俊彦六段、佐藤吉之輔氏(角川書店)、団鬼六氏(作家)、野口晴男氏(小学館)、春原千秋氏(医師)、山口瞳氏(作家)-50音順-
パーティー当日は、180名余が集い、盛会となった。
「将棋ペンクラブ」では、会長河口俊彦、副会長東公平、顧問に文壇のそうそうたるメンバーがそろい、定期的に勉強会を開いて互いの向上をはかるなど、精力的な活動が予定されている。今後の成果が大いに期待されるところだ。
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32年前の今日、将棋ペンクラブが発足した。
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発足記念パーティーに見られるように、非常に盛大かつ華やかな出だしだった。
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しかし、この数年後、将棋ペンクラブは会員数が減り、また、「詳細は述べないがトラブルが数回起こり、いやになった河口、東がやめるというのを聞いた井口昭夫さん(毎日新聞)が後継を引き受けてくれたわけである」と後年、東公平さんが将棋ペンクラブ会報に書かれている通り、1993年頃に新しい運営体制となった。
そこから会員数を回復して、現在に至っている。
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本当は、この発足記念パーティーのように、豪華・盛大なことをやれれば良いのだろうが、はじめの1、2回はできたとしても、継続して行うことは非常に難しい。
山本五十六連合艦隊司令長官が近衛文麿首相から日米戦争の場合の見込みを問われた時に、「是非やれといわれれば、初めの半年や1年は、ずいぶん暴れてごらんにいれます。しかし2年、3年となっては、全く確信は持てません」と答えたのと、スケールは全く違うものの、同じような状況とも言える。
むしろ、大事なことは長く続けること、持続可能な団体であり続けることだと思う。
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とは言いながらも、18年後、創立50周年の時は、記念パーティーを開くのも悪くはないかもしれない。
18年後、どうなっているのかは全く想像がつかないけれども、羽生世代の棋士が67歳になっていることだけは確かだ。
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