近代将棋1990年5月号、「日本将棋連盟公認 総合検定」より、郷田真隆四段(当時)出題の問題。
- ▲3二銀成
- ▲4二飛成
- ▲5二馬
- ▲2三飛成
強烈な切り返しがあります。
- ▲2六桂
- ▲1三馬
- ▲2四銀
- ▲3六歩
5手先まで読んでください。
- ▲3八飛
- ▲5五歩
- ▲6五歩
- ▲7五歩
手筋の一手。
軽くさばく手を。
意表をつく一手です。
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近代将棋1990年6月号、「総合検定解答」より
1図
④▲2三飛成が正解。これで受けなしです。△2三同金は▲4二飛成があります。
①▲3二銀成は△同玉で後続がありません。
②▲4二飛成は△同金で次▲2三飛成は△7八飛の詰めがあります。
③▲5二馬は△4一金と銀を取られると一手パスとなります。
2図
③▲2四銀が正解。△同玉に▲1三馬△3四玉▲3六飛が5手1組の好手順。△同銀に▲4六桂をみています。
①▲2六桂は△同歩で続きません。
②▲1三馬は△2四銀打と粘られます。
④▲3六歩は△4六銀と飛を取られ寄らなくなります。
3図
③▲6五歩が正解。△同銀は▲7五歩の銀ばさみの筋で後手の6五銀は▲6六歩で死にます。△4二角は▲7五歩△同角▲同角△同銀▲7六歩があります。
①▲3八飛は△7三桂と理想的な攻撃形を許してしまい先手の作戦負けになります。
②▲5五歩は指し過ぎです。以下△同歩▲2五桂△2四銀▲3五歩の攻めは、いつでも△5六歩の突き出しがあるので成立しません。
④▲7五歩は△同角と取られて▲7六銀△4二角でヤブヘビとなります。
4図
▲6五歩が正解です。7七角の働きを強める手です。△7五角なら▲4五歩△3三銀引▲5五飛と飛交換をせまって先手充分の局面となります。
他の手として▲8六歩は△同歩▲8八飛△7五角▲7六銀△4二角▲6五歩△5六歩で、▲5八歩と受けるようでは先手喜べません。
また▲7六銀と歩を守るのは、銀がソッポに行きます。△3一金と備えられ▲6五歩となりますが、▲7六銀と△3一金とでは一手の価値として雲泥の差があります。
5図
▲3六歩が正解です。後手の石田流の布陣は4二角がやや変則的な位置です。▲3六歩には△同歩▲6八角と進み、以下△4五歩▲3五歩△4四飛で先手が指しやすくなります。
他の手として▲6八角は△4五歩▲3六歩△4四銀▲3五歩△同銀で、先手不利な戦いとなります。
また▲5七銀と引くのは△4五歩▲5六銀△5三角となり、△3六歩の飛車取りのスジがあって玉型の悪い先手が苦しくなります。
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郷田真隆九段が四段になったばかりの頃に出題された問題。
いずれも格調の高い手で、難しい問題が多い。
逆に言えば、郷田九段は奨励会時代から格調の高い将棋を指していたということになる。
郷田九段らしさ溢れる次の一手と言えるだろう。