2020-06

自戦記

深浦康市四段(当時)「この決勝戦で、この羽織袴にどれだけ励まされた事か。それだけに最終局はどちらの和服を着る事も憚られた。一方を着ると、その和服をひいきしてしまう事になるから」

将棋マガジン1993年7月号、深浦康市四段(当時)の第11回全日本プロ将棋トーナメント決勝五番勝負第5局〔対 米長邦雄九段〕自戦記「頭の中が真っ白に」より。  第4局は完敗だった。  この一局ほど、将棋の難しさを味わった事はない。  後手番...
インタビュー・対談

高柳敏夫名誉九段「中原は誰の弟子でも名人になったと思う。ただ芹沢の師匠は、私でなければ務まらない」

将棋マガジン1993年6月号、鈴木輝彦七段(当時)の「枕の将棋学’93」より。ゲストは高柳敏夫名誉九段。 鈴木 先日行われた、先生の名誉九段をお祝いする会は大盛会でした。一門百段突破記念も兼ねられていましたが、それだけお弟子さんも多くて、い...
自戦記

深浦康市四段(当時)「1勝できた事は正直ほっとした。口の悪い奨励会員に『3連敗なら俺でもできる』と言われる心配がなくなったからである」

将棋世界1993年6月号、深浦康市四段(当時)の第11回全日本プロ将棋トーナメント決勝五番勝負第3局〔対 米長邦雄九段〕自戦記「和服の裾を踏む」より。  自分はかなり運がいい………  こう思ったのは準決勝の中村修七段戦が終わった直後である。...
自戦記

中田功五段(当時)「御恩に報います」

将棋マガジン1993年7月号、中田功五段(当時)の第5回IBM杯順位戦昇級者激突戦〔対 畠山成幸五段〕自戦記「自分を変えた出来事・・・・」より。  第51期順位戦、はじめ僕は昇級を狙っていました。  しかし出だしを2連敗した時は、さすがにシ...
奨励会

傷心を癒す旅に出て10キロ太った田村康介三段(当時)

将棋マガジン1993年7月号、駒野茂さんの「スポットライト奨励会」より。  第13回の三段リーグが新緑の香り漂う中スタートし、すでに4戦を消化した。  今回筆者が特に注目しているのはタムリンこと田村康介。  こう言うのには、ちょっとした理由...