大野源一八段（当時）の三間飛車の名局、昨日の図からの続き。
▲４四同歩△同銀▲２五歩△５五銀。
▲同角以外は△６四角と出られて大変なので▲同角。
以下、△同金▲２四歩△６四角▲２三歩成△４二飛。
大野流は、飛車先を破られても、自分の駒が捌ければ良しという大局観。
▲４七歩△５七歩▲６八金△５四角。
△５七歩を▲同金は、△５六金で飛車金両取りとなってしまう。
２枚の生角が美しい。
▲３二と△同角▲２二飛成△５四角。
振飛車党にとっては、鳥肌が立つ程の絶妙な駒使い。
▲２六竜△２五歩▲同竜△２四歩▲２六竜△６五金。
歩の連打で、先手の竜の直射を避けた。
次回以降の実戦譜でも出てくるが、相手の大駒の動きを封じるのも大野流。
△６五金は非常に味の良い手。
以下、▲４五銀打△３二角▲ ２三歩△２五歩▲２七竜△８六桂。
△２五歩を▲同竜は△３三桂のふんどし。
ここから寄せに入る。
△８六桂を▲同歩は、△４五飛▲同銀△８七銀▲同玉△７六金でトン死。
以下、▲８八王△５五角▲７七金△７六金。
△８七金の詰めよ。
以下、▲５四歩△７七金▲同桂△７六金▲６六金△同角▲同歩△６七金打まで、後手の勝ち。
この将棋は、何度見ても惚れ惚れする。
大野流の真骨頂。
