比較的最近の、将棋世界2007年8月号での驚いた記事。
故・真部一男九段の「将棋論考」より。
先手が大山康晴名人、後手が二上達也八段。(1960年代の対局と思われる)
剣豪小説を多く書いていた作家の五味康祐氏の、別の将棋の観戦記が引用されている。
「武士の情けという言葉があって、古来、日本人は散りぎわを尊重する。節目のある試合なら必ず止めを刺す。止めも刺してやらないのは、相手が町人ふぜいの場合に限る。つまり大山と指して負ける棋士は、大山に町人根性でいたぶられるわけになろう」
五味康祐氏の将棋の師匠は二上達也八段。
真部九段は、大山に最もいたぶられたのは二上かもしれないと書いている。
当時、大山名人を追いかける若手の有望格代表が二上達也八段だった。
大山名人は二上八段を完膚無きまでに叩いた。
真部九段にとって忘れられない局面が上の図。
「ここは▲5一飛成で二上投了となる筈。ところが大山は何と▲5三桂成といたぶったのだ。これでは大山を好きになれという方が無理だ」
悪夢に出てきそうな▲5三桂成だ…