羽生名人を育んだ八王子将棋クラブ

子供時代の羽生善治名人を育んだ八王子将棋クラブ

八木下征男席主が語る、その後の八王子将棋クラブ出身の棋士たち。

近代将棋2006年5月号別冊スーパー付録「羽生善治少年の全記録」の、八木下征男さんと永井英明さんの対談より。

 どこまでが道場出身者か分類が難しいところはありますが、全国から、強豪の子供たちが、春休みや夏休みを使ってわざわざ来てくれました。

 阿久津主税くん(五段)は町田に住んでいてよくきてくれましたね。その後、埼玉県の浦和に引っ越したけど、そこからも通ってくれました。そういえば、お正月に高崎の親戚の家に家族で集まっていたときにどうしても将棋が指したかったらしく、一人で八王子まで指しにきてくれたこともありましたね。後から入ったのにみんな追い抜いてしまうくらい強くなりました。

 村山慈明くん(四段)は、子どものころから、とっちゃん坊やみたいにどっしりして落ち着いている子でした。

 中村亮介くん(四段)は、奨励会に一度落ちてしまいましたが、それをきっかけに奮起したんでしょうね。一皮剥けて強くなりました。最近本人は道場にみえませんが、弟さんと妹さん(現・桃子女流1級)が道場に通っています。

 高崎一生くん(四段)は、九州の子で関西研修会に入っていたのですが、東京も大阪も飛行機代が二千円ぐらいしか変わらないと関東奨励会に移籍しました。その研修会の前後や夏休みを使って指しに来てくれましたね。

 長岡裕也くん(四段)は、地元八王子の子でいまでもよくきてくれています。とても真面目な子でしたね。アマ時代はそれ程でもなかったのですが奨励会に入ってからおどろく程伸びました。

 甲斐智美女流初段は、兄と弟の3人で来ていましたが、不思議と彼女だけが、プロになりましたね。

他にも現在、奨励会に入っている子どもがたくさんいます。

—–

この対談以降の八王子将棋クラブ出身の棋士は、中村太地五段、伊藤真吾四段、及川拓馬四段。

本当にすごいことだと思う。

玲瓏:羽生善治 (棋士)データベースによると、羽生名人の研究会メンバーは、

VSに長岡裕也五段が、羽生研に村山慈明五段が入っている。

八王子将棋クラブ出身のつながりなのかもしれない。