反則ギリギリの作戦。
1996年刊行の田中寅彦九段「羽生必敗の法則」より。
棋士は、タイトルがかかっていたり、予選でも特に勝負どころになれば、つい一生懸命になって”人間臭い”ことをやってのける。
棋士は、対局中に対局室を出て気分転換をすることもできる。むろん助言などを受けたら失格だが。
ある重要な対局でのことだ。さて、その対局も中盤もたけなわ。一方の棋士が尿意を催した。そこですっくと席を立ち、トイレに向かったのだが、なんと相手の棋士もまるでサルマネのようにすっくと立ち上がり、トイレまでついてきたのである。これには、トイレに向かった棋士のほうも驚いた。そのトイレが「大小」のどちらだったか知るすべはないが、とても落ちついてできるものではない。いい年になって連れションなど恥ずかしいことだ。これは、ハッキリ言ってだれの目から見ても明らかな嫌がらせである。
(以下略)
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本当にイヤな作戦だ・・・