A級順位戦8回戦一斉対局(2012年2月)

今日はA級順位戦8回戦一斉対局の日。→中継

ラス前であり、名人挑戦、降級が全て決まるかもしれない5局が行われる。

挑戦への可能性があるのは、羽生善治二冠、渡辺明竜王、谷川浩司九段。

ただし、羽生二冠は7勝0敗で、渡辺竜王も谷川九段も5勝2敗なので、

羽生二冠があと2連敗、渡辺竜王または谷川九段があと2連勝した場合にプレーオフ。

一方、現在、A級残留が確定していないのは、

高橋道雄九段、丸山忠久九段、久保利明二冠。

この3人のうち2人が降級することになる。

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(対戦の左側の棋士が先手)

谷川浩司九段-羽生善治二冠戦

7勝0敗の羽生二冠と5勝2敗の谷川九段。

谷川九段が敗れれば、羽生二冠の名人挑戦が決定。

谷川九段が勝つと、最終戦またはプレーオフまで挑戦者は決まらない。

屋敷伸之九段-高橋道雄九段戦

4勝3敗の屋敷九段と1勝6敗の高橋九段。

高橋九段が勝って、

  1. 丸山九段と久保二冠が共に敗れた場合、高橋九段のA級残留が確定。
  2. 丸山九段も久保二冠も共に勝った場合、最終戦が丸山-久保戦なので(どちらかは最終戦で1勝をあげることになるので)、高橋九段が最終戦(対谷川戦)で勝たなければ残留ができなくなる。逆の意味では、高橋九段には自力の目が残っている。

  3. 丸山九段と久保二冠のどちらかが勝った場合、勝ったほうの棋士が最終戦で敗れると高橋九段の残留が決定。勝ったほうの棋士が最終戦で勝ったとしても、高橋九段も最終戦で勝てば、高橋九段が残留。

高橋九段が敗れて、

  1. 丸山九段と久保二冠も共に敗れた場合、高橋九段が最終戦で勝たなければ残留ができなくなる。

  2. 丸山九段と久保二冠のどちらかが勝った場合、勝ったほうの棋士が最終戦で敗れ、かつ高橋九段が最終戦で勝てば、高橋九段が残留。

  3. 丸山九段も久保二冠も共に勝った場合、高橋九段の降級が確定。

渡辺明竜王-丸山忠久九段戦

5勝2敗の渡辺竜王と1勝6敗の丸山九段。

ここから渡辺竜王が2連勝、羽生二冠が2連敗の場合のみプレーオフ。

丸山九段が勝って、

  1. 高橋九段が勝った場合、久保二冠が勝っても負けても、丸山九段が最終戦で勝って、かつ高橋九段が最終戦で敗れた時のみ、丸山九段が残留。
  2. 高橋九段と久保二冠が共に敗れた場合、丸山九段が最終戦に勝てば残留決定。また、丸山九段が最終戦に敗れても、高橋九段も最終戦で敗れれば残留決定。
  3. 高橋九段が敗れ久保二冠が勝った場合、丸山九段が最終戦に勝てば残留決定。

丸山九段が敗れて、

  1. 高橋九段が勝つと、丸山九段の降級が決定。
  2. 高橋九段と久保二冠が共に敗れた場合、丸山九段が最終戦に勝ち、高橋九段が最終戦で敗れた時のみ残留決定。
  3. 高橋九段が敗れ久保二冠が勝った場合も、丸山九段が最終戦に勝ち、高橋九段が最終戦で敗れた時のみ残留決定。

久保利明二冠-佐藤康光九段戦

1勝6敗の久保二冠と4勝3敗の佐藤九段。

久保二冠が勝って、

  1. 高橋九段が勝った場合、丸山九段が勝っても負けても、久保二冠が最終戦で勝って、かつ高橋九段が最終戦で敗れた時のみ、久保二冠が残留。
  2. 高橋九段と丸山九段が共に敗れた場合、久保二冠が最終戦に勝った時のみ残留決定。
  3. 高橋九段が敗れ丸山九段が勝った場合、久保二冠が最終戦に勝てば残留決定。

久保二冠が敗れて、 

  1. 高橋九段または丸山九段が勝つと、久保二冠の降級が決定。
  2. 高橋九段と丸山九段が共に敗れた場合、久保二冠が最終戦に勝ち、高橋九段が最終戦で敗れた時のみ残留決定。

明らかに、高橋九段よりも丸山九段が、丸山九段よりも久保二冠が厳しい状況だ。    

郷田真隆九段-三浦弘行八段戦

郷田九段は4勝3敗、三浦八段は3勝4敗。

5局のうち、唯一、挑戦にも降級にも関連しない一局。

来期のために、お互いに一つでも二つでも順位を上げておきたいところだ。