今日発売されるNHK将棋講座では、河口俊彦七段が「めでたい話」の題で、昨年12月の行方尚史八段、戸辺誠六段、それぞれの結婚式の楽しい模様を書いている。
NHK 将棋講座 2012年 03月号 [雑誌] 価格:¥ 530(税込) 発売日:2012-02-16 |
今日は、16年前の早春の頃に行われた結婚式の様子を。
将棋世界1996年6月号、大崎善生さんの編集部日記より。
3月28日(木)
羽生七冠王の結婚式で東京目黒のQEDクラブへ。旧大使館の中庭(といってもサッカーができそう)で、スピーチもお色直しもない実におしゃれで爽やかな結婚披露宴だった。式の終わりに羽生さんと理恵さんが挨拶。
「人の式には呼ばれて何度も出たのですが、自分の・・・」といったとたんに某永世十段が私の横で大笑い。「自分は一度きりだよね、普通は」と実に楽しそう。新婚の理恵さんの「お母さん今までありがとう」には一同ジーン。将棋界の義理人情おやじ達(失礼)はこれに一番弱いのである。お幸せに。
3月30日(土)
杉本五段の昇段祝賀会に出席のため名古屋へ。一次会、二次会と出席後、三次会へ突入。普及部の滝理事、大野木さん、大阪の森理事、村山八段らと思わぬ大宴会になってしまった。朝5時店を出ると外は明るい。
3月31日(日)
新幹線で東京へとって返して、藤井六段の結婚披露宴へ出席。囲碁インストラクターの才媛、新婦の佳七子さんはとても明るく活発だ。友人の皆さんの挨拶も新婦がワイワイ、それを藤井さんは黙ってうなずいているで一致している。媒酌人の西村八段が、新婦が新郎のカバンに愛を告白した手紙を忍びこませ、新郎がそれを部屋のタンスに貼って喜んでいたと暴露し大喝采。実に楽しいカップルのようです。お幸せに。
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羽生善治七冠王と畠田理恵さんの結婚式は、日本将棋連盟の隣の鳩森神社で3月28日の早朝に行われた。そして、午後からQEDクラブで披露宴。
たまたまこの日の私は、仕事の関連で午前10時に日本将棋連盟へ行っていた。
テレビ局のカメラなどが片付けられている最中だったので、結婚式は9時くらいから始まっていたのだろう。
もっと早い時刻のアポ取りをしておけば良かった、と思ったものだ。
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この日は、翌日までに提出しなければならない大事な資料の作成があり、徹夜をした記憶がある。
私の中では、羽生七冠の結婚式というと、”徹夜”をいつも連想してしまう。
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NHK将棋講座1996年8月号、河口俊彦七段の「ザ・棋界」より。
三浦君は異色の棋士と言えるだろう。雰囲気が優等生棋士と違うのである。時代劇に出てくる、用心棒でもやっている素浪人、といった感じがある。対局中など、実にとっつきにくい。記者が感想戦をするのも、しりごみするのではないか。
それが、なにかの拍子で話をすると、あまりの好人物ぶりに面食らってしまう。そういうところは高橋九段とそっくりだ。数か月前、藤井六段の結婚式のとき、三浦君は弟弟子なので受付に立っていた。黒服に白ネクタイはよかったが、肩から背中にかけてフケが落ちていて目立つ。で、ちょっと注意したら「どうもすみません」とにっこりしたときは、少年のようだった。
(以下略)
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三浦弘行八段が羽生七冠から棋聖を奪取することになる数ヵ月前の姿。
ドラマの役者が揃っている、といった光景だ。