今日のNHK杯将棋トーナメントは、準々決勝、木村一基八段-畠山鎮七段戦が放送される。
畠山鎮七段は畠山成幸七段と双子の兄弟で、鎮七段が弟で成幸七段が兄。
今日は、この兄弟について迫ってみたい。
近代将棋1997年7月号付録、「初めての棋戦優勝シリーズ 村山聖五段初優勝編」、故・池崎和記さんの1989年の第13回若獅子戦1回戦(畠山成幸四段-藤原直哉四段戦)の観戦記「最低一回はチャンスが」より。
畠山は森安(正)五段門下の二十歳。昨年八月、双子の弟、鎮と一緒に四段になった。双子棋士は他にはいない。兄弟棋士の同時昇段の前例もない。だから、「奇跡的な快挙」と大騒ぎになった。
成幸が奨励会に入ったのは昭和五十八年、中学二年のときだ(弟は翌年入会)。同期に村山(現五段)がいる。
双子といっても、兄弟はウリ二つというわけではない。よく見ればあまり似てないし、性格も考え方も違う。そのうえ名前にも共通性がない。
「鎮はやんちゃ坊主で、思っていることを表に出します。成幸は自分で抑えるところがあって、何かあっても表面には出しませんね」と母親の阿紀子さん。
「でも、シンはどちらも強いです。成幸はおとなしそうに見えるけど、本当はきついんです。名前はわざとバラバラにしました。双子ということで二人が互いに頼り合っては困る。いずれ一個ずつの人間になるのだからと思いまして」
兄弟自身、小さいころから一緒に出歩くということはなかった。周囲からジロジロ見られるのが嫌だったからだ。
兄は中学卒業後、奨励会に専念。弟は高校へ行き、学生生活をエンジョイしながら奨励会へ通った。兄は「高校へ行かなくてよかった」と思い、弟は「高校へ行ってよかった」と思っている。
双子でも育った環境が違うのだ。だから、二人が似ていないのは当然と言えるかもしれない。どれだけ似てないか―参考までに二人のパーソナル・データを別表に掲げる。
身長
成幸 174cm
鎮 173cm
体重
成幸 54kg
鎮 60kg
顔
成幸 色が白い、メガネ使用
鎮 日焼けしている、コンタクトレンズ
音楽
成幸 ニューミュージック、サザン、ユーミン、ANRI
鎮 ロック、ビリー・ジョエル、ブルース・スプリングスティーン、ユーロ・ビート
読書
成幸 歴史物、ジェフリー・アーチャー、シドニー・シェルダン
鎮 読まない、雑誌(メンズノンノ、FMステーション)
酒
成幸 少し
鎮 少し
タバコ
成幸 やらない
鎮 少し
テレビ
成幸 見ない
鎮 見ない
スポーツ
成幸 テニス
鎮 野球
好きなタレント
成幸 有森也実
鎮 南果歩
ガールフレンド
成幸 スポーツクラブに少し
鎮 募集中
目標の棋士
成幸 中原誠
鎮 谷川浩司
好きな将棋
成幸 中原将棋(バランスがとれ、負けにくい)
鎮 福崎将棋
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たしかに、二人の音楽の趣味と読書の傾向は全く異なっている。
しかし、好きなタレントである有森也実さんと南果歩さんは、タイプこそ違え、同じタヌキ・少年型の顔に分類されるので、好みのタイプは同じ象限に入るのかもしれない。
(ご参考:好みの四分類)
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有森也実さんは、一度だけ近くで見たことがある。
心が溶けそうになるほど美しかった。
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畠山鎮七段は俳優の故・古尾谷雅人さんに顔が似ていると思う。
古尾谷雅人さんといえば、私の中では「北の国から」のダンプの運転手役を思い出す。
「北の国から」屈指の名場面、泥の付いた一万円札。誰もが泣ける。
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2008年の将棋年鑑で、羽生善治二冠は一番好きな映画は「ショーシャンクの空に」と答えているが、畠山鎮七段はこの映画の主人公であるティム・ロビンスにも顔が少し似ている。
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畠山成幸七段が古尾谷雅人さんやティム・ロビンスに似ているかというと、そうでもなくなる。
古尾谷雅人さんとティム・ロビンスが似ているかというと、やはりそうでもない。
この辺が、非常に微妙なところだ。