近代将棋1993年7月号、故・永井英明近代将棋社長(当時)の「編集手帳」より。
中田功五段の昇級を祝う会が5月24日午後6時から、都内原宿の東郷神社「水交会」で開催されました。東郷神社は”勝負の神様”、中田五段が1980年奨励会の試験を受けるときに合格を祈念したという場所です。
お祝いにはプロ棋士30数名が参加。報道関係、一般のファン併せて70数名という盛会でした。
発起人田辺忠幸氏、二上会長、宮崎忠雄氏(弘前市)らの祝辞。乾杯は羽生竜王。神戸の斎藤栄氏、青森の中戸としひろ氏、兄弟子の有吉九段、郷里福岡市のファンからも祝電が寄せられました。
斎藤栄先生の祝電。なかたいさお、ごだん、しようきゅうおめでとうございます。おおやまめいじんにならぶ、いだいなきしにせいちようされるよう、さらにごしようじんください。
発起人は田辺忠幸、西村一義、蛸島彰子の諸氏と、私。但し、実際の幹事は前田祐司七段で、すべてのお膳立ては七段がしてくれました。中田五段はいい兄貴分をもって幸せですね、
中田五段、おめでとう。
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中田功五段(当時)が順位戦C級1組へ昇級したことを祝う会。
近代将棋のこの号の巻末モノクログラビアにはその時の写真が2枚載っており、1枚は会の後半、11人で写っている写真。
中田功五段を中心に、永井英明さん、前田祐司七段、桐谷広人六段、武者野勝巳五段、佐藤秀司四段、蛸島彰子女流五段、弟弟子の行方尚史三段(段位は当時)の顔が見える。
もう1枚は、中田功五段と羽生善治竜王(当時)が談笑しているシーン。
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中田功七段は、奨励会時代、永井英明さんの実家に下宿をしていたという縁がある。
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順位戦で昇級した棋士が現れる都度、このような規模の会が催されていたとも考えにくい。中田功五段がいかに皆に愛されていたかがわかる。
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東郷神社は、1934年に東郷平八郎が亡くなった際、神社にお祀りして ほしいとの要望と献金が全国各地から海軍省に届き、この熱意に応えて時の大角海軍大臣が各界の識者にはかり、財団法人東郷元帥記念会を設立、多くの人から寄せられた献金によって創建された。
東郷神社のホームページを見ると、”勝利の神”がキャッチコピー。
サッカーの本田圭佑選手も、東郷神社に何度か訪れているという。