佐藤康光棋聖(当時)「味噌汁がおいしいので助かっています」

将棋世界2004年11月号グラビア、第75期棋聖就位式「さらなるステップアップを」より。

 勢いに乗る森内俊之竜王・名人の挑戦をストレートで退け、防衛を果たした佐藤康光棋聖の就位式。

 会場には、関係者やファンら約200名が祝福に訪れた。

 謝辞に立った佐藤棋聖は、

「今期の五番勝負は実戦不足を感じていましたが、ツキもあって防衛することができました。最近は若い棋士達の感覚に首をかしげることもありますが、精進してさらなるステップアップを目指します」とあいさつした。

 パーティーでは、棋聖が紘子夫人とともにインタビューを受けるトークコーナーがあり、新婚生活についての質問が集中した。

「初めて会った時、きれいな人だな、と思いました」(棋聖)

「対局前は肉料理で体力をつけてもらいます」(紘子夫人)

「味噌汁がおいしいので助かっています」(棋聖)

……いやはや、二人にはすっかり当てられっぱなしであった。

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佐藤康光棋聖(当時)の「最近は若い棋士達の感覚に首をかしげることもありますが」という言葉が面白い。

佐藤康光棋聖は、この2年前に将棋世界で「我が将棋感覚は可笑しいのか?」を発表している。

”最近の若手棋士の感覚”とは、「我が将棋感覚は可笑しいのか?」で述べられている若手棋士の感覚。

佐藤康光王将(当時)は、自らが編み出した作戦を真似する若手棋士が全くといっていい程いないことをこの文章で嘆いている。

佐藤康光王将(当時)「我が将棋感覚は可笑しいのか?」

佐藤康光王将(当時)「我が将棋感覚は可笑しいのか?」(その2)

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3月9日に行われた棋聖戦決勝トーナメント、松尾歩七段-佐藤康光九段戦では、佐藤康光九段が斬新な構想で快勝している。

佐藤松尾1

1図での△7四歩が佐藤流の一手。

中継では「他の棋士ではこうは指せないだろう駒組みだ」と書かれている。また、中継室を訪れた千葉幸生六段は「見たことも考えたこともない指し方です」と話している。

感想戦で佐藤康光九段は、6二玉型で指すつもりだったこと、△7四歩のところ△4四銀とすると、▲9四歩△同歩▲2五歩△同歩▲3一角△3二飛▲4二角成△同飛▲2五飛△2二歩▲9二歩△同香▲9一金のような手が気になったこと、を語ったという。

佐藤康光九段の狙いは、端からの攻撃だった。

佐藤松尾2

そして地下鉄飛車。

佐藤松尾3

3図以降、佐藤康光九段は猛烈な玉頭攻めを展開する。

佐藤康光九段の奔放な指し回し、アマチュアでこの戦型を真似しようと思う人は私も含めてほとんどいないと思うが、だからこそ見ていて楽しい。

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味噌汁は奥が深い。

味噌を原料と色から分類すると、(米味噌・豆味噌・麦味噌)×(赤味噌・白味噌・淡色味噌)で9種類となる。そして、それぞれの分類毎に各地の味噌が存在する。

具の方は、働く女性を対象とした”みそ”と食生活に関する意識調査!の人気順で並べると(好きな具を複数回答可)、

1.豆腐(70.8%)
2.ワカメ(67.1%)
3.油揚げ(57.3%)
4.大根(55.0%)
5.ねぎ(54.4%)
6.きのこ類(51.6%)
7.たまねぎ(47.0%)
8.ジャガイモ(40.3%)

一番好きな具のみを回答とする別の調査では、

1位 豆腐
2位 わかめ
3位 油あげ
4位 長ねぎ
5位 じゃがいも
6位 大根
7位 玉ねぎ
8位 なめこ
9位 しじみ
10位 里いも
11位 あさり
12位 卵
13位 にんじん
14位 なす
15位 ほうれん草
16位 えのき
17位 もやし
18位 麸
19位 豚肉
20位 白菜

という結果だった。

具の組み合わせでは、双方の調査とも、1位が「豆腐とワカメ」。

私は「豆腐と油揚げ」、「豆腐とナメコ」が好きだ。

個人的には、私が苦手な里芋が、心情的に応援している麸よりもずっと上の10位にランクインされていることに、少しショックを受けている。