おしゃべりに見られていなかった木村一基四段(当時)

将棋世界1998年2月号、「棋士達の背景 四段 木村一基」より。

 4月に四段デビューして約8ヵ月が過ぎた。今期は勝率7割以上と好成績で、1年目にして棋聖リーグ入りした。緒戦桐山九段戦は落としたものの、羽生四冠、郷田六段との対戦が控えていて「ありがたいことです。このメンバーでおなかがいっぱいという感じです」と木村一基四段は笑顔で語ってくれた。

 11年と数ヶ月の奨励会生活。大学に進学する若手棋士はあまり珍しくなくなったが、三段時代に自分の意志で大学に進学した。学業と将棋の板挟みで悩んだこともあったが「どれだけ飲むとつぶれるかぐらいは勉強になりました」と、今では懐かしい思い出になった。

 趣味は映画。大学では映画のサークルに入っていて、本当は自分で映画を作ってみたかったという程の映画好き。最近観た中で面白かったのは「ニュー・シネマ・パラダイス」。

 誕生日が11日しか違わない野月浩貴四段は昔からの大親友。小学校4年の時、両親の実家のある北海道にたまたま遊びに行った時に参加した「さっぽろ東急」の小学生大会で対戦してからのライバルでもある。 

 その1回戦では屋敷棋聖をやっつけたが、決勝戦でその野月に敗れたのがいまでも悔しいと語る。奨励会時代も互いに励ましあって、二人とも念願の四段となった。

「将棋年鑑」のアンケートでは趣味として「人と話すこと」とある。寡黙なように見えるが、実際は結構しゃべる人で、周りに対する気配りを忘れない。

 日本酒党。「飲むとよくしゃべるようになり、うるさいと言われます」

「必敗になってから逆転するパターンが多いんです。序盤からリードしてそのまま押し切るような将棋を指せるようになりたいです」

 これから期待される棋士の一人だ。

写真: DSC_0169

この時に掲載された写真の一部。撮影は中野英伴さん。

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「寡黙なように見えるが、実際は結構しゃべる人で」というところが、今から見るととても可笑しい。

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「ニュー・シネマ・パラダイス」が好きというところが、木村一基八段のイメージにピッタリな感じがする。

「ニュー・シネマ・パラダイス」は、悲しいシーンがほとんどないのに観ている間ずっと涙が溢れてくる映画、音楽を聞いただけでも涙が出てくる映画。

私も、好きな映画を3本あげろと言われたら、「ニュー・シネマ・パラダイス」は確実に入る。

完全オリジナル版と劇場公開版があって、トトが青年時代に憧れていたエレナとの後日談が描かれている完全オリジナル版のほうが50分長い。

どちらが好みかはなかなか難しいところだが、劇場公開版を見たあとに完全オリジナル版を見るのが良いのかもしれない

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木村一基八段が大学生時代の自戦記→木村一基三段(当時)の自戦記「生意気小僧」


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