先崎流麻雀、郷田流麻雀、森内流麻雀

昨日の記事に元・近代将棋編集長の中野隆義さんから貴重なコメントをいただいた。

 棋士のマージャンは、業界では芹沢ルールと呼ばれる三人マージャンを打つことがもっぱらでして、三人マージャンはマンズにおいては一と九を残すのみ(二から八までを使わない)なので、ちまたで打たれる四人マージャンよりホンイチやチンイチができやすくなっています。ゆえにホンイチ・チンイチ好きが多いのであって、読者のみなさんあっては一応ここのところを認識しておいてもらいたいと思います。

 先崎流と初めて卓を囲んだときに印象に残っているのは、彼がまださほどの点数の動きがない東の二局の平場で、タンヤオドラ三を闇で張っていたことでした。これは四人マージャンの正しい感覚であってそんなことしてたんじゃ芹沢ルールじゃ勝てませんぜ、と思っていましたら、半ちゃん二回を経過したあたりで先崎流が軌道修正をしてきたことです。さすがだなあと、感心しました。私めは四人マージャンで打っていた時代が長かったこともあって、芹沢ルールに沿うような打ち方ができるようになるまで半年間も負け続けたものです。

 郷田流には、しばしばやらかしてくれる一巡目からの長考あんどそのとき出てくる牌が決まってオタカゼであるのに目をまあるくしました。なるほど、先崎流がどこかで書いていた棋士仲間での北海道旅行のおり、観光そっちのけで競馬新聞に首っ引きで勝ち馬馬券を読み切ろうとしたのはこういうことなのね。と納得させられました。マージャンは戦いの情報が全開示される将棋と違って、伏せられてその牌が何であるか目に見えない牌がたくさんあります。情報全開示である将棋でも読み切るのは至難の業なのに、不確かな情報があふれているマージャンでそれをマジやろうとする郷田流に、あきれながらも底知れぬ怖さを抱いたものです。

 森内流は実に分厚いというか堅実無比のマージャンです。三人でやるマージャンだから自分が上がる確率は三分の一以下(流局があるため)であること。上がれるときは黙っていても牌が上がれ上がれと押し寄せてくること。を知っています。

 羽生流とは卓を囲んだことはありません。聞くところに寄ると、棋士が打っている後ろで観戦していたことがあるそうですからルールはすっかり飲み込んでいることでしょう。願わくはいつの日にか対戦の機会があらんことを。

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やはり、麻雀には将棋の棋風が色濃く反映されるようだ。

郷田真隆王将の若かった頃の一巡目からの長考。

「先崎流がどこかで書いていた棋士仲間での北海道旅行のおり、観光そっちのけで競馬新聞に首っ引きで勝ち馬馬券を読み切ろうとした」というのはこの記事。→点のある・ない論争

森内俊之九段の若かった頃の分厚く堅実無比な麻雀。

「自分が上がる確率は三分の一以下(流局があるため)であること。上がれるときは黙っていても牌が上がれ上がれと押し寄せてくること。を知っています」とは、自分に訪れて来る上がれるチャンスは3回に1回程度と割り切り、手が良くない時は無理に突っ張らずに打ち込まないように守りに徹するというようなこと。

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「まださほどの点数の動きがない東の二局の平場で、タンヤオドラ三を闇で張っていたことでした。これは四人マージャンの正しい感覚であってそんなことしてたんじゃ芹沢ルールじゃ勝てませんぜ、と思っていましたら、半ちゃん二回を経過したあたりで先崎流が軌道修正をしてきたことです」

3人麻雀では、誰かから当たれば4人麻雀の時と同じ点数を得ることが出来るが、自摸ってしまうと1人足りないので4人麻雀の時よりも少ない点数になってしまう。(親で満貫を自摸れば4人麻雀では3人から4,000点ずつで計12,000点になるが、3人麻雀では2人から4,000点ずつで計8,000点)

この部分を調整するルールを考え出したのが芹沢博文九段であったと言われている。

このルールは、リーチをかけて自摸った場合にチップを得られるというもの(だったと思う)。また、自摸る当たる関係なく、リーチをかけて上がった時には、裏ドラ表示牌およびそれに隣接する場所にある牌と同じ牌を持っていれば牌1枚につきチップ2枚、1番違いならチップ1枚(だったと思う)得られるというもの。(だったと思う)

そういう訳なので、1位争いをしているような最終盤はともかくとしても、序盤からのダマテンはあまり効率が良くないことになる。

3人麻雀で大きな点数(チップ含む)を得ようとしたらリーチをかけるに越したことはないと思う。

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実は私はこの3年間に3人麻雀を2回やっている。中身の点数では冴えないのにチップの枚数だけでプラスになったこともあった。

その度に、「芹沢先生、有難うございます」と心の中で感謝をしている。

 

 

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