最近、ぼんやりと次のようなことが気になっていた。
- 藤井聡太四段の活躍に端を発する将棋ブーム、そのインパクトが数値的にどれほどの好影響を与えているのか。
- AbemaTV将棋チャンネルの出現によって、ニコニコ生放送の将棋番組の来場者数は影響を受けているのかいないのか。
そこで、ニコニコ生放送の将棋番組の来場者数から、その2つを調べてみることにした。
あわせて、ニコニコ生放送の将棋番組の来場者数の推移から、何か見えてくるものがあるのかないのかも。
—————
ニコニコ生放送で過去に中継された対局(2017年9月14日まで)の来場者数を多い順に並べてみた。(ニコ生の検索機能から抽出)
来場数 | 放送日 | 棋戦 | |
888,183 | 2017-07-02 | 日 | 第30期竜王戦 佐々木勇気五段 vs 藤井聡太四段 決勝トーナメント 2回戦 |
788,842 | 2014-04-12 | 土 | 第3回 将棋電王戦 第5局 屋敷伸之九段 vs ponanza |
663,051 | 2013-04-20 | 土 | 第2回 将棋電王戦 第5局 三浦弘行八段 vs GPS将棋 |
655,338 | 2014-07-19 | 土 | 将棋電王戦リベンジマッチ 激闘23時間 菅井竜也五段 vs 習甦 |
625,639 | 2013-04-06 | 土 | 第2回 将棋電王戦 第3局 船江恒平五段 vs ツツカナ |
591,850 | 2014-04-05 | 土 | 第3回 将棋電王戦 第4局 森下卓九段 vs ツツカナ |
579,605 | 2015-03-28 | 土 | 将棋電王戦FINAL 第3局 稲葉陽七段 vs やねうら王 |
575,786 | 2017-09-08 | 金 | 第30期竜王戦 挑戦者決定三番勝負 第3局 羽生善治二冠 vs 松尾歩八段 |
560,595 | 2013-03-30 | 土 | 第2回 将棋電王戦 第2局 佐藤慎一四段 vs ponanza |
546,304 | 2017-06-26 | 月 | 第30期竜王戦 決勝トーナメント 増田康宏四段 vs 藤井聡太四段 |
527,621 | 2015-02-08 | 日 | 電王戦×TOYOTA リアル車将棋 |
513,371 | 2013-04-13 | 土 | 第2回 将棋電王戦 第4局 塚田泰明九段 vs Puella α |
501,894 | 2015-04-11 | 土 | 将棋電王戦FINAL 第5局 阿久津主税八段 vs AWAKE |
500,634 | 2015-03-21 | 土 | 将棋電王戦FINAL 第2局 永瀬拓矢六段 vs Selene |
459,552 | 2017-08-14 | 月 | 第30期竜王戦 挑戦者決定三番勝負 第1局 羽生善治三冠 vs 松尾歩八段 |
424,495 | 2014-12-31 | 水 | 将棋電王戦リベンジマッチ 森下卓九段 vs ツツカナ |
408,813 | 2012-01-14 | 土 | 第1回将棋電王戦 米長邦雄永世棋聖 vs ボンクラーズ |
405,760 | 2015-03-14 | 土 | 将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery |
392,583 | 2014-03-22 | 土 | 第3回 将棋電王戦 第2局 佐藤紳哉六段 vs やねうら王 |
389,321 | 2012-10-03 | 水 | 将棋 第60期王座戦 五番勝負第4局 渡辺明王座 vs 羽生善治二冠 |
377,278 | 2017-02-13 | 月 | 【三浦九段復帰戦】第30期竜王戦 1組ランキング戦 羽生善治三冠 vs 三浦弘行九段 |
376,393 | 2014-03-15 | 土 | 第3回 将棋電王戦 第1局 菅井竜也五段 vs 習甦 |
374,404 | 2014-04-09 | 水 | 将棋 第72期名人戦七番勝負 第1局 2日目 森内俊之名人vs羽生善治三冠 |
373,749 | 2013-03-23 | 土 | 第2回 将棋電王戦 第1局 阿部光瑠四段 vs 習甦 |
367,419 | 2012-05-09 | 水 | ネット初!完全生中継【将棋】第70期名人戦七番勝負第3局(2日目)森内俊之名人vs羽生善治二冠 |
366,465 | 2017-04-01 | 土 | 第2期電王戦 二番勝負 第1局 佐藤天彦叡王 vs PONANZA |
365,644 | 2015-04-04 | 土 | 将棋電王戦FINAL 第4局 村山慈明七段 vs ponanza |
364,571 | 2013-09-18 | 水 | 将棋 第61期王座戦 五番勝負第2局 羽生善治王座 vs 中村太地六段 |
346,296 | 2013-03-01 | 金 | 将棋 第71期名人戦・A級順位戦最終日 全局生中継 |
344,490 | 2014-03-29 | 土 | 第3回 将棋電王戦 第3局 豊島将之七段 vs YSS |
340,167 | 2014-05-21 | 水 | 将棋 第72期名人戦七番勝負 第4局・2日目 森内俊之名人vs羽生善治三冠 |
329,403 | 2012-05-23 | 水 | ネット初!完全生中継【将棋】第70期名人戦七番勝負第4局(2日目)森内俊之名人vs羽生善治二冠 |
314,621 | 2017-06-10 | 土 | 【将棋】第3期叡王戦 開幕局 四段予選 梶浦・都成・井出・藤井(聡) |
309,957 | 2012-04-11 | 水 | ネット初!完全生中継【将棋】第70期名人戦七番勝負第1局(2日目)森内俊之名人vs羽生善治二冠 |
307,774 | 2015-05-29 | 金 | 【将棋】第73期名人戦七番勝負 第5局 2日目 羽生善治名人 vs 行方尚史八段 |
306,393 | 2013-10-08 | 火 | 将棋 第61期王座戦 五番勝負第4局 羽生善治王座 vs 中村太地六段 |
305,153 | 2016-02-27 | 土 | 将棋 第74期A級順位戦最終局 全局完全生中継 |
301,111 | 2015-05-21 | 木 | 【将棋】第73期名人戦七番勝負 第4局 2日目 羽生善治名人 vs 行方尚史八段 |
300,816 | 2016-04-23 | 土 | 【将棋】第74期名人戦七番勝負 第2局 2日目 羽生善治名人 vs 佐藤天彦八段 |
299,629 | 2012-06-13 | 水 | ネット初!完全生中継【将棋】第70期名人戦七番勝負第6局(2日目)森内俊之名人vs羽生善治二冠 |
295,310 | 2014-10-23 | 木 | 将棋 第62期王座戦五番勝負第5局 羽生善治王座 vs 豊島将之七段 |
294,331 | 2012-04-25 | 水 | ネット初!完全生中継【将棋】第70期名人戦七番勝負第2局(2日目)森内俊之名人vs羽生善治二冠 |
288,889 | 2013-08-31 | 土 | 将棋 電王戦タッグマッチ 完全生中継 |
288,746 | 2012-06-01 | 金 | ネット初!完全生中継【将棋】第70期名人戦七番勝負第5局(2日目)森内俊之名人vs羽生善治二冠 |
281,183 | 2017-07-06 | 木 | 【将棋】第76期順位戦 C級2組 中田功七段vs藤井聡太四段 |
275,344 | 2017-05-20 | 土 | 第2期電王戦 二番勝負 第2局 佐藤天彦叡王 vs PONANZA |
269,689 | 2016-05-22 | 日 | 第1期電王戦 二番勝負 第2局 二日目 山崎隆之叡王 vs PONANZA |
268,102 | 2013-12-31 | 火 | 電王戦リベンジマッチ 船江恒平五段 vs ツツカナ |
266,053 | 2014-06-02 | 月 | 将棋 第85期棋聖戦 五番勝負第1局 羽生善治棋聖 vs 森内俊之竜王 |
265,116 | 2015-12-06 | 日 | 【将棋】第1期叡王戦 決勝三番勝負 第1局 郷田真隆九段 vs 山崎隆之八段【ニコルン対応】 |
264,592 | 2012-08-29 | 水 | 将棋 第60期王座戦 五番勝負第1局 渡辺明王座 vs 羽生善治二冠 完全生中継 |
259,380 | 2013-07-06 | 土 | 将棋 第84期棋聖戦 五番勝負第3局 羽生善治棋聖 vs 渡辺明竜王 |
254,559 | 2016-04-10 | 日 | 第1期電王戦 二番勝負 第1局 二日目 山崎隆之叡王 vs PONANZA |
254,405 | 2013-09-04 | 水 | 将棋 第61期王座戦五番勝負第1局 羽生善治王座 vs 中村太地六段 |
247,101 | 2013-06-22 | 土 | 将棋 第84期棋聖戦 五番勝負第2局 羽生善治棋聖 vs 渡辺明竜王 |
246,944 | 2013-04-10 | 水 | 将棋 第71期名人戦七番勝負 第1局・二日目 森内俊之名人vs羽生善治三冠 |
244,952 | 2017-08-25 | 金 | 第30期竜王戦 挑戦者決定三番勝負 第2局 羽生善治三冠 vs 松尾歩八段 |
243,300 | 2017-06-15 | 木 | 【将棋】第76期順位戦 C級2組 瀬川晶司五段 vs 藤井聡太四段 |
243,249 | 2015-12-13 | 日 | 【将棋】第1期叡王戦 決勝三番勝負 第2局 郷田真隆九段 vs 山崎隆之八段【ニコルン対応】 |
240,953 | 2016-04-06 | 水 | 【将棋】第74期名人戦七番勝負 第1局 2日目 羽生善治名人 vs 佐藤天彦八段 |
240,612 | 2012-09-05 | 水 | 将棋 第60期王座戦 五番勝負第2局 渡辺明王座 vs 羽生善治二冠 完全生中継 |
235,316 | 2014-03-27 | 木 | 将棋 第63期王将戦 七番勝負 第7局(二日目)渡辺明王将 vs 羽生善治三冠 完全生中継 |
235,174 | 2013-10-21 | 月 | 将棋 第61期王座戦 五番勝負第5局 羽生善治王座 vs 中村太地六段 |
232,400 | 2014-01-13 | 月 | 将棋 第63期王将戦 七番勝負 第1局(二日目)渡辺明王将 vs 羽生善治三冠 完全生中継 |
231,788 | 2014-09-04 | 木 | 将棋 第62期王座戦五番勝負第1局 羽生善治王座 vs 豊島将之七段 |
230,370 | 2016-12-24 | 土 | 第30期竜王戦6組ランキング戦 加藤一二三九段 vs 藤井聡太四段 |
227,812 | 2014-05-09 | 金 | 将棋 第72期名人戦七番勝負 第3局・2日目 森内俊之名人vs羽生善治三冠 |
225,090 | 2013-03-24 | 日 | 将棋 第38期棋王戦 五番勝負第4局 郷田真隆棋王 vs 渡辺明竜王 |
ニコ生の三大人気コンテンツはアニメ、政治、将棋と言われるが、将棋は、政治、アニメには当然のことながら放送本数では及ばないものの、番組あたりの来場者数では引けを取らない。
生データから編集をするのに疲れて、トップ68で止めてしまったが、来場者数20万を超える番組だけでも、あと20は続く。
トップ68の内訳は、非常に乱暴な分類だが、
- 羽生善治二冠の対局:32
- 人間対コンピュータの電王戦:24
- 藤井聡太四段の対局:6
- A級順位戦最終日 全局生中継:2
- 第1期叡王戦 決勝三番勝負 郷田真隆九段 vs 山崎隆之八段:2
- 第38期棋王戦 五番勝負第4局 郷田真隆棋王 vs 渡辺明竜王:1
- リアル車将棋:1
放送年別では、(括弧内は人間対人間の対局)
2012年 10(9)
2013年 16(8)
2014年 15(8)
2015年 10(5)
2016年 6(4)
2017年 11(9)
2016年のトップ68入りが少ないのは、電王戦の団体戦(5人対5ソフト)がなくなったため。
2017年のトップ68入りの数値が復活しているのは、藤井聡太四段の対局の貢献度が大きい。
—————
1.電王戦来場者数の時系列分析
はじめに、電王戦について来場者数の推移を見てみたい。
電王戦は、新しい将棋ファン層の拡大に非常に大きな役割を果たしている。
人間対コンピュータソフトの図式の電王戦の来場者数は次の通り。
来場数 | 放送日 | 棋戦 | |
408,813 | 2012-01-14 | 土 | 第1回将棋電王戦 米長邦雄永世棋聖 vs ボンクラーズ |
373,749 | 2013-03-23 | 土 | 第2回 将棋電王戦 第1局 阿部光瑠四段 vs 習甦 |
560,595 | 2013-03-30 | 土 | 第2回 将棋電王戦 第2局 佐藤慎一四段 vs ponanza |
625,639 | 2013-04-06 | 土 | 第2回 将棋電王戦 第3局 船江恒平五段 vs ツツカナ |
513,371 | 2013-04-13 | 土 | 第2回 将棋電王戦 第4局 塚田泰明九段 vs Puella α |
663,051 | 2013-04-20 | 土 | 第2回 将棋電王戦 第5局 三浦弘行八段 vs GPS将棋 |
288,889 | 2013-08-31 | 土 | 将棋 電王戦タッグマッチ 完全生中継 |
268,102 | 2013-12-31 | 火 | 電王戦リベンジマッチ 船江恒平五段 vs ツツカナ |
376,393 | 2014-03-15 | 土 | 第3回 将棋電王戦 第1局 菅井竜也五段 vs 習甦 |
392,583 | 2014-03-22 | 土 | 第3回 将棋電王戦 第2局 佐藤紳哉六段 vs やねうら王 |
344,490 | 2014-03-29 | 土 | 第3回 将棋電王戦 第3局 豊島将之七段 vs YSS |
591,850 | 2014-04-05 | 土 | 第3回 将棋電王戦 第4局 森下卓九段 vs ツツカナ |
788,842 | 2014-04-12 | 土 | 第3回 将棋電王戦 第5局 屋敷伸之九段 vs ponanza |
655,338 | 2014-07-19 | 土 | 将棋電王戦リベンジマッチ 激闘23時間 菅井竜也五段 vs 習甦 |
424,495 | 2014-12-31 | 水 | 将棋電王戦リベンジマッチ 森下卓九段 vs ツツカナ |
527,621 | 2015-02-08 | 日 | 電王戦×TOYOTA リアル車将棋 |
405,760 | 2015-03-14 | 土 | 将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery |
500,634 | 2015-03-21 | 土 | 将棋電王戦FINAL 第2局 永瀬拓矢六段 vs Selene |
579,605 | 2015-03-28 | 土 | 将棋電王戦FINAL 第3局 稲葉陽七段 vs やねうら王 |
365,644 | 2015-04-04 | 土 | 将棋電王戦FINAL 第4局 村山慈明七段 vs ponanza |
501,894 | 2015-04-11 | 土 | 将棋電王戦FINAL 第5局 阿久津主税八段 vs AWAKE |
212,688 | 2016-04-09 | 土 | 第1期電王戦 二番勝負 第1局 一日目 山崎隆之叡王 vs PONANZA |
254,559 | 2016-04-10 | 日 | 第1期電王戦 二番勝負 第1局 二日目 山崎隆之叡王 vs PONANZA |
191,224 | 2016-05-21 | 土 | 第1期電王戦 二番勝負 第2局 一日目 山崎隆之叡王 vs PONANZA |
269,689 | 2016-05-22 | 日 | 第1期電王戦 二番勝負 第2局 二日目 山崎隆之叡王 vs PONANZA |
366,465 | 2017-04-01 | 土 | 第2期電王戦 二番勝負 第1局 佐藤天彦叡王 vs PONANZA |
275,344 | 2017-05-20 | 土 | 第2期電王戦 二番勝負 第2局 佐藤天彦叡王 vs PONANZA |
電王戦の団体戦(5人対5ソフト)の放送年別の1番組あたりの来場者数平均を計算すると、
第2回電王戦(2013年)547,281
第3回電王戦(2014年)498,832(前年比91.1%)
電王戦FINAL(2015年)470,707(前年比94.4%)
放送時間の長さや、ニコ生が同時接続制限人数(無料会員が追い出されずに見ることができる枠のようなもの)をどのように設定するかで来場者数は微妙に変わるので、単純に比較はできないかもしれないが、数字だけを入れば、5対5の初年の2013年をピークに漸減傾向だったことがわかる。
2016年からは、5人対5ソフトではなく、叡王対ソフトという形態になる。
しかし、電王戦FINALが終わった2015年4月から第1期電王戦 二番勝負〔山崎隆之叡王 vs PONANZA〕までの間に何があったのか、
第1期第1局二日目(山崎叡王-PONANZA)254,559
第1期第2局二日目(山崎叡王-PONANZA)269,689
第2期第1局(佐藤叡王-PONANZA)366,465
第2期第2局(佐藤叡王-PONANZA)275,344
と、激減している。
大将戦にあたる2014年の第3回 将棋電王戦 第5局 屋敷伸之九段 vs ponanzaの78.9万、2013年の第2回 将棋電王戦 第5局 三浦弘行八段 vs GPS将棋の66.3万と比べると半減の数値。
ニコ生の同時接続制限人数(無料会員が追い出されずに見ることができる枠のようなもの)が2015年以前と2016年からで大幅に変わった可能性もあって単純に来場数を比較することはできないが、人間対コンピュータソフトに対する興味は薄れてきた、という傾向は現れていると思う。
ところで、2016年と2017年の電王戦の前に行われた叡王戦決勝三番勝負の来場者数も見ておきたい。
第1期叡王戦決勝第1局(郷田王将-山崎八段)265,128
第1期叡王戦決勝第2局(郷田王将-山崎八段)243,249
第2期叡王戦決勝第1局(佐藤名人-千田五段)217,662
第2期叡王戦決勝第2局(佐藤名人-千田五段)195,066
特に第1期の時は叡王戦決勝と電王戦がほぼ変わらない来場者数で、第2期も相当に多い来場者数。
ニコ生ユーザの、人間対コンピュータソフトから人間対人間の対局への興味のシフトが2016年に起きたと言っても良いだろう。
—————
2.AbemaTV将棋チャンネルの出現によるニコ生への影響
AbemaTV将棋チャンネルの出現によって、ニコニコ生放送の将棋番組の来場者数は影響を受けているのかいないのかを見てみたい。
まずは名人戦。今期の名人戦は、ニコ生、AbemaTV、双方で放送している。
ニコ生だけが放送していた2015年・2016年と今年2017年を比較すると、
第73期名人戦七番勝負 羽生善治名人 vs 行方尚史八段
2015/04/08(水) 第1局 初日 120,885
2015/04/09(木) 第1局 2日目 155,760
2015/04/22(水) 第2局 初日 121,067
2015/04/23(木) 第2局 2日目 220,170
2015/05/07(木) 第3局 初日 110,739
2015/05/08(金) 第3局 2日目 212,788
2015/05/20(水) 第4局 初日 113,335
2015/05/21(木) 第4局 2日目 301,111
2015/05/28(木) 第5局 初日 121,731
2015/05/29(金) 第5局 2日目 307,774
第74期名人戦七番勝負 羽生善治名人 vs 佐藤天彦八段
2016/04/05(火) 第1局 初日 114,228
2016/04/06(水) 第1局 2日目 240,953
2016/04/22(金) 第2局 初日 102,777
2016/04/23(土) 第2局 2日目 300,816
2016/05/12(木) 第3局 初日 98,472
2016/05/13(金) 第3局 2日目 170,246
2016/05/25(水) 第4局 初日 108,648
2016/05/26(木) 第4局 2日目 185,337
2016/05/30(月) 第5局 初日 111,004
2016/05/31(火) 第5局 2日目 224,434
第75期名人戦 七番勝負 佐藤天彦名人 vs 稲葉陽八段
2017/04/06(木) 第1局 初日 90,765
2017/04/07(金) 第1局 2日目 84,548
2017/04/20(木) 第2局 初日 71,182
2017/04/21(金) 第2局 2日目 82,180
2017/05/01(月) 第3局 初日 76,997
2017/05/02(火) 第3局 2日目 118,305
2017/05/16(火) 第4局 初日 78,789
2017/05/17(水) 第4局 2日目 102,553
2017/05/26(金) 第5局 初日 91,639
2017/05/27(土) 第5局 2日目 156,922
2017/06/05(月) 第6局 初日 75,826
2017/06/06(火) 第6局 2日目 125,079
1番組あたりの来場者数平均を計算すると、
2015年 178,536
2016年 165,691(前年比:92.8%)
2017年 96,232(前年比:58.1%)
羽生善治二冠が出ていない名人戦という影響もあるのかもしれないが、対前年比58.1%と、これほど落ち込んだのはAbemaTV将棋チャンネルの出現による影響と考える方が自然だろう。
かなり大きい。
しかし、これは今年の6月初旬までのこと。
—————
3.藤井聡太四段に端を発する将棋ブームによるインパクト
ニコ生の将棋関連の放送での来場者数1位は、今年の7月2日(日)の第30期竜王戦 決勝トーナメント 2回戦 佐々木勇気五段 vs 藤井聡太四段で、88.8万の来場者数。藤井聡太四段の連勝記録が止まった一局。
藤井聡太四段が29連勝の新記録を達成した6月26日(月)の第30期竜王戦 決勝トーナメント 増田康宏四段 vs 藤井聡太四段が54.6万で、人間対人間の対局としては3位。
この2局とも、ほとんどが有料会員、AbemaTVでもこの対局を放送していた、ということを考えると、非常に凄い来場数だったことがわかる。
—————
本来であれば29連勝の新記録を達成できるかどうかの一戦の方が訪問数が多くなるのが自然に思えるが、29連勝を達成した直後の30連勝なるかどうかの一戦の方の訪問数が多い。
月曜日放送と日曜日放送の違い、29連勝を達成してそれで注目度が更に増した、などの理由があるのかもしれない。
—————
藤井聡太四段の対局の来場数は、時系列で次の通り。
2016/12/24(土) 230,370
竜王戦6組ランキング戦 対加藤一二三九段
2017/05/25(木) 128,480
竜王戦6組ランキング戦決勝 対近藤誠也五段
2017/06/10(土) 314,684
第3期叡王戦 開幕局 四段予選
2017/06/15(木) 243,300
順位戦 C級2組 対瀬川晶司五段
2017/06/26(月) 546,304
竜王戦 決勝トーナメント 対増田康宏四段
2017/07/02(日) 888,183
竜王戦 決勝トーナメント 対佐々木勇気五段
2017/07/06(木) 281,183
順位戦 C級2組 対中田功七段
2017/07/11(火) 74,345
加古川青流戦 対都成竜馬四段
2017/07/24 76,711
棋聖戦 一次予選
2017/08/10 121,187
順位戦 C級2組 対高見泰地五段
2017/09/02(土) 56,817
加古川青流戦 対井出隼平四段
2017/09/07(木) 90,674
新人王戦 対佐々木大地四段
2017/09/14(木) 132,910
順位戦 C級2組 対佐藤慎一五段
対局時間の短い対局(加古川青流戦)は訪問数が相対的に少なくなるが、ニコ生での本格的なフィーバーは6月初旬から始まったことがわかる。
現在はフィーバーも落ち着き、順位戦で12~13万の訪問数。ピーク時より減ったとはいえ、かなりの訪問数。
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そういった意味では、9月8日(金)の第30期竜王戦 挑戦者決定三番勝負 第3局 羽生善治二冠 vs 松尾歩八段の57.6万は非常に素晴らしい数字。
AbemaTVでは放送されていなかったとはいえ、平日、ほとんどが有料会員での57.6万。人間対人間の対局としては2位。
竜王戦 挑戦者決定三番勝負は8月14日(月)の第1局が45.9万、8月25日(金)の第2局が24.5万。
羽生永世七冠実現を期待するファンの気持ちが訪問者数に現れたとも考えられるが、それにしても57.6万は凄い数字だ。
藤井聡太四段の活躍に端を発する将棋ブームの追い風、そのインパクトが57.6万のうち、どれほど含まれているのか。
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ニコ生での本格的な藤井聡太四段フィーバーが始まった6月初旬以降に放送された棋聖戦の訪問者数を見てみたい。
今年の棋聖戦は、ニコ生、AbemaTV、双方で放送している。
第86期棋聖戦 羽生善治棋聖 vs 豊島将之七段
2015/06/02(火) 第1局 171,982
2015/06/16(火) 第2局 152,670
2015/07/04(土) 第3局 161,090
2015/07/15(水) 第4局 155,447
第87期棋聖戦 羽生善治棋聖 vs 永瀬拓矢六段
2016/06/03(金) 第1局 206,493 永瀬六段勝ち
2016/06/18(土) 第2局 149,292 羽生棋聖勝ち
2016/07/02(土) 第3局 161,121 永瀬六段勝ち
2016/07/13(水) 第4局 108,474 羽生棋聖勝ち
2016/08/01(月) 第5局 141,152 羽生棋聖勝ち
第88期棋聖戦 羽生善治棋聖 vs 斎藤慎太郎七段
2017/06/01(木) 第1局 110,613 羽生棋聖勝ち
2017/06/17(土) 第2局 140,196 羽生棋聖勝ち
2017/07/01(土) 第3局 162,801 斎藤七段勝ち
2017/07/11(火) 第4局 132,698 羽生棋聖勝ち
1番組あたりの来場者数平均を計算すると、
2015 160,297
2016 153,306(前年比:95.6%)
2017 136,576(前年比:89.1%)
名人戦では前年比58.1%だったものが、棋聖戦では前年比89.1%。
藤井聡太四段フィーバーがなければ棋聖戦も前年比58.1%になっていたはず、と乱暴に考えて計算すると、約30%分(89.1%-58.1%)が将棋ブームによる増加分と考えられる。
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王位戦はニコ生では放送されていないが、王座戦を最後に見てみたい。王座戦もニコ生、AbemaTV、双方で放送している。
今年の王座戦は第1局までしか放送されていないので昨年の王座戦第1局と比較してみる。
第64期王座戦五番勝負 羽生善治王座 vs 糸谷哲郎八段
2016/09/06(火) 第1局 136,629
第65期王座戦五番勝負 羽生善治王座 vs 中村太地六段
2017/09/05(火) 第1局 167,215
なんと王座戦第1局では前年を上回り、前年比122.4%。
AbemaTVも放送しているのに、ニコ生が前年を上回る来場者数という理想的な状況。
ニコ生とAbemaTVを合計した王座戦第1局の来場者数は、前年に比べ倍以上になっているかもしれない。
たしかに、藤井聡太四段フィーバーは落ち着いたが、藤井聡太四段をきっかけに将棋ファンになった方が他の棋士のファンにもなり、その好循環が続くとすれば本当に素晴らしいことだと思う。
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そういうわけで、私がぼんやりと気にしていた、
- 藤井聡太四段の活躍に端を発する将棋ブーム、そのインパクトが数値的にどれほどの好影響を与えているのか。
- AbemaTV将棋チャンネルの出現によって、ニコニコ生放送の将棋番組の来場者数は影響を受けているのかいないのか。
は、
- かなり大きい。非常に乱暴な計算で約30%の浮揚効果。
- 6月初旬まで行われていた名人戦は来場者数の面でかなり影響を受けていたと思われるが、6月初旬以降の棋聖戦以降はマイナスの影響が少なくなりつつあると思われる。
が今日現在の私の中での分析ということになります。