将棋世界2004年3月号、「第62期順位戦」より。
図から3手1組の手筋がある。ちょっと気付きにくい手順である。
残り2局を残しての余裕をもって、深浦が昇級を決めた。かつてはC2で9勝1敗頭ハネなど、何度か不運があったが、ついにA級まで昇りつめた。
深浦将棋に派手さはないが、細かく少しずつポイントを上げていくのに長けており、そして粘り強い。仲間内の評は「とにかくイヤらしい相手」と一致している。
△7七歩▲同桂△7五金がうまい。次の△7六歩が受からない。▲7六歩は△同金のあと、また引かれて歩がなくなってしまう。
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2003年度のB級1組順位戦、深浦康市七段(当時)がA級昇級を早々と決めた後の一局。
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2図から△8七金▲同銀△同角成▲同金△同飛成と一気に行く道もあるが、やや僻地にいる先手の金銀を捌かせることになり、面白くないといえば面白くない。
本譜の△7七歩▲同桂△7五金が先手にとっては嫌な手順(△7七歩に▲同銀は△8七金、△7七歩に▲同金は△同金▲同桂△7六歩)。
△7五金とされて、先手の指す手が見当たらない。
振り飛車党にとっては非常に憂鬱になるような展開。
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「とにかくイヤらしい相手」
実生活でこのように言われたらかなり考え込んでしまうが、勝負の世界では最大級の賛辞だ。