将棋マガジン1991年5月号、羽生善治前竜王(当時)の「懸賞 次の一手」より。
順位戦がひと区切りつく4月頃、たいがいの棋士はその時期に旅行をするようです。
私は昨年オーストラリアに行ってきましたが、今年はまだ予定も立てていません。
よく一緒に行動するメンバーが、そうした話を話題としないからでしょうか。
行くとしたらまた海外に、と思っています。それも大自然を楽しむという、そんな感じのところへ。
カナダ、ヨーロッパなどがいいかな。フランクフルトへもまた行きたいと思っています。
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この時の羽生善治前竜王(当時)は海外へ2回行っている。
1回目が森雞二九段の研究会でのオーストラリア旅行、2回目が竜王戦フランクフルト対局。
大自然を楽しみたいというのが、とても健康的だ。
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二人にしか聞いていないけれども、海外を何度も旅した人に、一番良かった国はと聞くと、一人はインド、一人はネパールということだった。
現地での思い出と連動することなので、人それぞれ、好きな国は分散するのだろう。
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海外はほとんどが会社の出張でしか行ったことがないので、訪問地数は少ないが、そのなかで個人的に好きなのは、アメリカのカーメル。
サンフランシスコから南に約190km、クリント・イーストウッドが市長を務めたこともあるカリフォルニアの小さな街だ。
町並みが綺麗で、1日中、何もせずに海を眺めていたくなるような雰囲気。
この街で生まれ育っていたら、ミュージシャンか画家を志していただろうな、と自然と頭の中で思ってしまうほどだった。
3、4時間ほどの滞在だったが、昼食で食べた地元の小さなレストランのハンバーガーが、美味しくもなく美味しくなくもなく、よくぞこのような全く中庸の味に仕上げたものだと、妙な感心をした記憶がある。
カーメルと正反対なのがニューヨークで、昼はガンガン仕事をして、夜はとにかくたくさん遊びたくなるような雰囲気。
ニューヨークも好きな都市だ。
満腹になって食べきれなかったリブロースステーキ(ウェルダン)があまりにも絶品で、いまだに残したことが心残りとなっている。
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以前は、いろいろな国へ行った気分になれた映画が「007シリーズ」だったが、2006年にシリアス路線に変わってからは、「ミッション・インポッシブル」シリーズが、最も海外を旅行した気分になれる映画になっていると思う。
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ふとGoogleマップを見ていて、このような場所にまさか人は住んでいないだろう、と思った北極海にある島。
調べてみると、人が住んでいて、なおかつ観光コースだと知ってビックリした。
→3連休で(?)弾丸スヴァールバル諸島(4travel.jp)
将棋と同じように、知っていることは知っているけれども、まだまだ埋もれている場所(手)がたくさんあるのだと感じさせられる。