天河戦第1局公開対局・大盤解説会余話

先週の土曜日に京王プラザホテルで行われたNTTル・パルク杯天河戦第1局、中井広恵六段-成田弥穂女子アマ王位戦の公開対局・大盤解説会の話の続き。(→中継および棋譜

会場には成田弥穂女子アマ王位のお母様も、仙台から来られていた。仙台からは応援の方も7~8名駆けつけていたようだ。

成田弥穂女子アマ王位のお母様は、成田アマ王位がどんなに優勢になろうとも、プロジェクターに映し出された弥穂さんを、やや心配気な表情で見つめていた。勝ち負けは関係なく、弥穂さんを思いやる気持ちがあらわれていた。

お母様は、大盤解説会が終わった時には満面の笑顔になっていた。

また、仙台からは東北放送(TBS系)が取材に来ていた。インタビュアーとカメラマンの2~3名体制で、対局風景や大盤解説の模様、仙台から応援に来ている人達へのインタビュー、石橋女流王位や船戸陽子二段へのインタビューなどの取材を精力的に行っていた。

精力的といえば、ネット中継もそうだった。

家に帰ってから天河戦の中継を見てみたが、

もともとの解説が素晴らしいうえに、大盤解説会場の雰囲気をリアルタイムに文章や映像で伝えるなど、見事としかいいようのないものになっていた。

棋譜・コメント入力担当の記者は対局場の記録係の隣に座っているのだが、別室の大盤解説の音声を聞くことができるような装置を身にまとっており、離れた場所の大盤解説会での解説をリアルタイムでコメントに反映させることができる仕組みになっている。

動画系・写真担当の記者も、精力的に動き回っていた。

対局中は会話を交わすことのできない二人の記者が、別手段でうまくコミュニケーションをとり、連携し、成功させたものだと思う。

このようなことは長年の経験や試行錯誤があるからこそ、はじめてできることで、とても一朝一夕にはいかない。あらためて感心した。

高橋道雄九段の大盤解説もわかりやすかったし、女流棋士による解説、聞き手も面白かったし、飛び入りの片上大輔五段、大野八一雄六段の解説も良かったし、良いことだらけの天河戦第1局公開対局・大盤解説会だった。