将棋マガジン1993年8月号、故・団鬼六さんの「オニの五番勝負 第一番 羽生善治竜王の巻」より。
打ち上げは連盟会館近くの寿司屋で開かれ、二次会が近くの居酒屋。何しろ初戦に大敵を倒して興奮気味になっているから二軒や三軒じゃすまされる筈はない。森九段等を誘って、おい、渋谷へ飲みに行こう、という事になり、しかし、こういう場合、羽生先生に対しては棋界の秘蔵っ子だと、何やら処女を深夜まで引っ張り廻すような気がして気がひける。本人も、それでは私はここで、と引き揚げるかと思ったら、行きますよ、僕も、といって森九段等と乗り込んだタクシーにもぐりこんでくる。渋谷を二軒、三軒と廻った気がするが羽生竜王は最後までつき合った。それで、この種の若い天才は特別仕立てになっていて取り扱いにも微妙な注意が必要、という私の見解はやっぱり間違ってい事に気づいたのである。
今回の自戦記は私が書くことになっているのでどこかの酒場で羽生竜王に観戦記者気どりでインタビューを試みたが、彼は小酔し、私は大酔いしていてこういう下らないことしか聞けなかった。
―えーと、あなたの好きなタイプの女性。
―外見だけでいうなら斉藤慶子。
―竜王戦の優勝なんかでボカーンと大金が入った時、何に使おうかとうろたえるか―。
―うろたえない。銀行振込みになっているから、抽象的な喜びはある。表彰と同時にあれ、現金でボカンと積まれたら恐らくうろたえる。
―銀行に振込まれた金の使用方法は。
―なし。銀行の支店長が狙っていてすぐに定期にしてこちらが使えないようにする。税金を支払う分だけは残してくれる。
(以下略)
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斉藤慶子さんは、この当時、非常に人気の高かったタレント。1961年生まれなので羽生二冠の9歳年上にあたる。
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以前、「好みの四分類」という記事を書いた。
女性の顔は、「タヌキ・少年顔型」、「タヌキ・少女顔型」、「キツネ・少年顔型」、「キツネ・少女顔型」の四つに分類され、一人の男性からみた場合、この分類のどれか1つのタイプに好みが集中するという理論。
斉藤慶子さんは「タヌキ・少年顔型」だ。
「羽生善治竜王(当時)と菊池桃子さん」でも書いたように、羽生善治二冠は奥様の畠田理恵さんを筆頭に、「タヌキ・少年顔型」が好みと推察される。
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