佐藤康光六段(当時)の一人暮らし

将棋マガジン1993年9月号、佐藤康光六段(当時)の第5回IBM杯順位戦昇級者激突戦自戦記「冷や汗の一局」より。

将棋マガジン同じ号より。

 私事になるが最近になってようやく一人で生活している。年齢的に考えるとようやく就職先が決まり独立したという感じだが、さすがにそういう感じではない。

 始めは実家と半々位の予定だったが、居心地が良く、通勤時間も短いので殆ど帰っていない。

 困っているのは炊飯器だ。自炊しようと決心して買ったのは良いがまだ一度も使っていない。買った米はそのうちカビが生えそうだ。

 我ながら実行力のなさと、意志の弱さにあきれる。

 また意外に驚いているのが、TVを置いていないのだが、何げなく今までTVを見ている時間が多かったのではという事。

 なくても不便でないのが不思議である。ただ将棋の番組が見られないのが難点。しかしまだ新聞をとっていないのでこのままでは仙人のような生活になってしまいそうだ。

 でも今度の選挙は投票に行くつもりである。

(以下略)

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私も大学生時代に自炊を半年間だけやったことがある。

炊飯器も使っていた。

いつも肉料理(油をひいて豚肉を焼いて、そこに醤油あるいは焼肉のたれをかけて更に焼く)ばかりだった。

歩いて15分のところに広尾の明治屋があったので、週末などはインターナショナルな食材を買ってきて食べることもあった。

インターナショナルといっても、オーストラリア産牛肉の屑肉を超圧縮したステーキ肉状のもの、フランス産のチーズなどだった。

結論としては、

  1. ご飯に合うチーズは一番安いプロセスチーズであって、カマンベールチーズ、クリームチーズ、ブルーチーズはご飯に合わないこと、
  2. 安い牛肉はそれほど美味しくないこと
  3. ケンタッキーフライドチキンは、そのまま食べると美味しいが、ご飯のおかずとしては薄味に感じられること
  4. 同じメニューを食べていると飽きること
  5. 自分が作る料理よりも、店で食べる料理のほうが圧倒的に美味しいこと

などが導かれ、私の自炊生活は半年で終わった。