将棋世界2004年4月号、グラビア「佐藤康光棋聖、婚約発表!」より。
佐藤康光棋聖が婚約を発表した。お相手は大谷紘子さん(26)。津田塾大学卒で大学時代はテニスをやっていた才媛。現在は金融技術開発関連業務に携わるOL。1年前に知人の紹介で知り合い、昨年の10月1日(佐藤さんの誕生日)に棋聖の方からプロポーズ。挙式は8月1日の予定。おめでとうございます!
・1枚目の写真(歌舞伎座の前で二人が何かを話しているようなシーン)
紘子さんはゴルフを始めたばかり。「みっくん、早くコースに連れてってくださ~い」。カメラなど気にせずイチャイチャしてる二人でした。
・2枚目の写真(歌舞伎座の前で二人並んだシーン)
1週間前に結納を済ませ、この日曜日は東銀座の歌舞伎座でデート。
見よ!佐藤康光のデレ~とした表情を。

将棋世界グラビアの写真の一部。左隣に奥様が写っている。
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将棋世界2004年4月号、佐藤康光棋聖(当時)の連載自戦記〔A級順位戦 佐藤康光棋聖-三浦弘行八段〕「際どい競り合いを制す」より。
私事になるがこの度婚約致しましたのでご報告させて頂きます。
婚約者は大谷紘子さん(26)。金融技術開発関連業務に携わっている。
昨年の1月、王将戦第1局が終わって数日後に知人を介して知り合いました。
以後おつき合いを始め、今年の2月7日に結納を済ませました。8月1日に都内で結婚式を行う予定です。
気が付いたら自然とここ迄来た、という感じである。
大体毎日対局日以外の日は電話していた様に思うがこれが結構長く小一時間位。普段の電話では十分以上話す事は稀なので珍しい。思い返してみると一体どんな話をしていたのか記憶がない。あまり勉強や為になる様な会話は少ないのだがそれでもよく続くものと自分自身感心してしまう。
これを機に責任感も少しは出ればと思う。より一層頑張りたいと思います。
(以下略)
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婚約期間中の二人の電話や恋人同士の電話で、勉強や為になる会話があったら、それはそれでかなり変だと思う。
「あまり勉強や為になる様な会話は少ないのだがそれでもよく続くものと自分自身感心してしまう」と感じるところが、佐藤康光九段らしい微笑ましさ、真面目さだ。あるいは直球ののろけと見ることもできる。
それにしても、本当に幸せそうだ。
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佐藤康光九段は、同い年の中井広恵女流六段などから昔は「やっちゃん」と呼ばれていた。
たしかに康光なので、「やっちゃん」や「やっくん」が自然な呼び方だと思う。
それを「みっくん」としたのが、8歳年下の奥様である。
私の知人に「あきひろ」という名前の人がいる。彼は小さい頃は「あっくん」とか「あーくん」と呼ばれることがあったらしいが、大人になってからのある夜、酒場で、酔った若い女性と次のような会話があったという。
「お名前はなんというの?」
「あきひろです」
「素敵な名前…ねえ、これからヒロって呼んでいい?」
彼は、「いやー、そっちのほうで来るかって驚きましたよ。でも、自分の名前じゃないみたいで、何かドキドキして、新鮮なサプライズがありましたね」と語っている。
そのような意味でも、「みっくん」と初めて呼ばれた時、佐藤康光棋聖(当時)には相当にポジティブな驚きがあったのではないだろうか。
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佐藤康光棋聖の婚約については、スカ太郎さんが面白い文章を書いている。