将棋世界1997年11月号、神吉宏充六段(当時)の「今月の眼 関西」より。
吉本新喜劇の山田花子さんをご存知だろうか?とぼけた味でCMやテレビなどでバンバン活躍中だから、関西以外でも知っておられる方は多いだろうが、彼女のトボケは本当に地でやっているらしい。
桂三枝師匠が谷川浩司永世名人就位記念にチャリティーライブをやろうと企画された時の事。この山田花子さんに突撃取材して棋士達(谷川・羽生・佐藤(康)・森内・井上・村山・郷田・神吉)の写真を見せて、例えばこの中に一人だけ歌舞伎役者がいるなんて質問したらどうか?と提案されたが、私はすかさず「きっと谷川名人や羽生四冠王、それに他の棋士も有名やから、問題にならんのとちゃいますか?」と答えたが、師匠曰く「いや、花子は絶対将棋のこと知りませんわ。棋士って何?と言われるのが関の山でっしゃろ」。
果たして師匠のおっしゃるとおり、山田花子さんは何も知らなかったようで、前述の歌舞伎役者はの質問には羽生先生の写真を指さして「この人」と答えていたし、「この中に一人だけブラジルから来て、まだ日本語を上手く喋れない人がいますが、それは?」の質問に躊躇なく谷川先生を指さしていた。知らんちゅうのはほんまに怖ろしいもんで…(どうせ私は日本語喋れませんからブツブツ…谷川)
(以下略)
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いろいろな人に複数の棋士の写真を見せて、「◯◯だと思う人は誰?」というネタは絶対に面白いと思う。
もっとも、顔と名前を知られていると成立はしなくなるので、棋士全体が当時よりも広く知られている今の時代では難しいかもしれない。
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最近、優秀な内科医に見える棋士、優秀な外科医に見える棋士という分類ができるのではないかと、ふと考えたりしている。
まだ体系立ててはいないが、ぱっと頭に浮かんでくるのは、
〔優秀な内科医に見える代表的な棋士〕
中村修九段、中村太地六段
〔優秀な外科医に見える代表的な棋士〕
渡辺明竜王、森内俊之九段、屋敷伸之九段、三浦弘行九段
ただ、この分類もなかなか難しく、例えば升田幸三実力制第四代名人などは、どう見ても医師には見えないわけで、いろいろと課題は残されている。