素直さという素質

将棋世界1999年1月号、真部一男八段(当時)の「将棋論考」より。

 昔、師匠加藤治郎が伸びる者とそうでない者の違いについて、こういうことをいっておられた。先生は観戦記も書いていたから、局後の検討すなわち感想戦にも参加する。そうして時折御自分の意見もおっしゃることがある。そういった場面で自分のような老棋士の言葉でも良い手であれば素直に認めてくれる者と、ハナから問題にしない者とがいる。後者はロートルの示す手に良い手があるはずがない、とでもいいたげな態度である。

 実際、間違いが多いのでこれは仕方のないことなのだが、その後の彼らを見ていると、上に行くのは良いものは良いと素直に認める心を持った者達である、とのことであった。

 確かにこれは大事なことで、その人の年齢や立場、さらに敷衍すれば、人種や性別、国籍に至るまで、それにこだわってしまうと偏見が生まれ、ものの本質が見えにくくなってしまうだろう。

 私が見ても上位で活躍している若手は素直さという素質を持っているようだ。

 それに加えて頑固さというか、俺はこう考えるんだ、という強い意志的な面も持っている。

 羽生、佐藤康、郷田、そして今回、新竜王となった藤井にもそれは当てはまっていると思う。ひたむきな頑固さが藤井流を編み出し、その流儀にかける信念と信頼が、あの落ち着きを生み、谷川の乱れを誘ったのであろう。

 一方の谷川だが、推察するにハードスケジュールからくる肉体的疲労を蓄積していたのではないか、充分な休養をとり、偉才の捲土重来を願うものである。

(以下略)

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パナソニックを一代で築き上げ、経営の神様とも呼ばれていた故・松下幸之助氏は、素直な心の必要性をいつも説いていたと言われる。

素直さと強い意志は、棋士のみならず、ビジネスの面でも大事だということになるのだろう。

素直さと傲慢さは同居できないが、素直さと頑固さなら同居できる。

変な自己啓発書を何冊も読むよりも、これだけを覚えておけば良いような感じがする。

(もっとも、素直になるためにはどうすれば良いか、について書くのが自己啓発書なのかもしれないが)

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私は、「自己啓発」、「グローバルスタンダード」のような言葉が大嫌い。

本当に素晴らしい世界標準もあるが、安易に語られている「グローバルスタンダード」と呼ばれていたものには、「アメリカン・エゴイズム」や「欧州エゴイズム」のような内容のものが数多くあったと思う。

日本はもっと自信を持て、と思う時代があった。

表面も中身も胡散臭いものには好感が持てるが、表面は真っ当に見えても中身が胡散臭いのは嫌いだ。

そういう意味で、「自己啓発」、「グローバルスタンダード」という言葉は嫌いということ。

・・・と思っている私が全く素直ではないのかもしれないが。

 

 

第74期名人戦第5局対局場「天童ホテル」

羽生善治名人に佐藤天彦八段が挑戦する名人戦、第5局は山形県天童市の「天童ホテル」で行われる→中継

天童ホテルは、創業100余年の宿。2015年春に館内がリニューアルされ、庭園から流れ落ちる滝を眺める滝見露天風呂や、庭園との一体感を感じられるロビーラウンジ、モダンな食事処がオープンした。焼きたてステーキ付の朝食も人気。

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〔天童ホテルでの昼食実績〕

将棋棋士の食事とおやつによると、天童ホテルでのタイトル戦の昼食実績は次の通り。

2011年名人戦第6局

羽生善治名人 ◯
一日目 五目あんかけ焼きそば
二日目 寿司
森内俊之九段 ●
一日目 ビーフカレー
二日目 山形牛のステーキ

2009年王将戦第7局

羽生善治王将 ◯
一日目 五目あんかけ焼きそば
二日目 海の幸チャーハン
深浦康市九段 ●
一日目 カレーライス、
二日目 天ざるそば おにぎり1つ

2008年名人戦第6局

羽生善治二冠 ◯
一日目  ビーフカレー
二日目 五目あんかけ焼きそば
森内俊之名人 ●
一日目 ビーフカレー
二日目 天ざるそば

※羽生二冠が名人奪還、永世名人称号を獲得した一局

〔昼食予想〕

羽生善治名人の「五目あんかけ焼きそば」は、ほぼ確定的と見たい。

佐藤天彦八段はカレー系が入るだろう。

予想は次の通り。

羽生善治名人
一日目 五目あんかけ焼きそば
二日目 海の幸チャーハン

佐藤天彦八段
一日目 ビーフカレー
二日目 山形牛のステーキ


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天童ホテルの山形牛のすき焼き

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