将棋世界2000年12月号、日浦市郎七段(当時)の「今月の眼 関東」より。
最近流行っている対振り飛車の囲いありますね。▲6六角から▲7七桂、そして▲8九玉と囲うヤツ。あれの名前、まだはっきりしていないので色々な呼び方をしているようです。三浦七段が多用しているので「三浦囲い」と呼ぶ人もいるし「かまぼこ囲い」などと呼ぶ人もいる。高橋九段は本誌で「トーチカ」と名付けてました。
ところで週刊将棋では「ミレニアム」と名付けているんだけどこれはどうも不評のようです。僕が思うにどうせそういう名前つけるんだったらいっそのこと「世紀末」にしちゃった方が良かったんじゃないかと思うんだけど。皆さんはどう思います?
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「トーチカ」は高橋道雄九段が名付け親だった。
将棋世界2000年11月号、高橋道雄九段の「タカミチの実戦コーナー/トーチカ(囲い)」より。
まだ実戦例は少ないものの、1図の陣形(先手)が少しずつ指されるようになりました。一部では”ミレニアム”と呼んでいるみたいですが???。
私にはトーチカの形に見えますので、表題はそうさせて頂きましたが、もっと気の利いたネーミングはないものでしょうか。
(中略)
この形の一号局は、藤井(先)-中村戦。が、プロ間で先駆者と言えるのは三浦七段。もっとも、アマ強豪間では、もっと前から指されていた様だ。
(以下略)
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商品名なら、BOSS(コーヒー)、伊右衛門(お茶)、プリウス(自動車)など、自由なネーミングが可能だが、戦法や囲いの名はそのものを形容している分かりやすさが求められるので、戦法や囲いのネーミングは商品名に比べると制約条件があると言って良いだろう。
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そういう意味では、時事性を限りなく追求するなら「ミレニアム」、後々の時代にもイメージしやすくという観点なら「トーチカ」の名が適しているのだろう。
三浦弘行八段(当時)は、2001年に この囲いで升田賞を受賞しているが、この時は「ミレニアム囲い」という名とされている。
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私がパソコンを初めて購入したのは2001年2月。ソニーのVAIO(デスクトップ)で、OSがWindowsME(Microsoft Windows Millennium Edition)だった。
WindowsMEは2000年にリリースされたのでミレニアムエディションと名付けられている。Windows98とWindows XPの間となって、実質的な販売期間は1年2ヵ月という短い期間。
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このWindowsME、今ではWindowsの黒歴史とまで言われているようで、Windowsの変遷のような記事があってもWindowsMEは全く存在しなかったかのように省かれていることも多いという。
機能・性能面や設計思想面などでいろいろと問題があったようだが、個人的には特に不自由は感じなかった。
VAIOも、猛烈なタバコの煙攻撃を受けながらも長寿で、このブログは2011年前半までは、WindowsMEのパソコンから記事が作られていた。(現在はWindows10)
以前も紹介したことがあるが、WindowsMEを酷評するこの記事が面白い。
→「歴代Windowsを家にたとえてみた」という画像への海外の反応いろいろ