今日は、NHK将棋講座2016年11月号の発売日。
◯表紙は木村一基八段。
◯グラビアは「半世紀にわたる伝統ある将棋イベント 第50回記念 東急将棋まつり」。8月6日から9日まで開催された東急将棋まつりの一日目の模様。
◯「あなたの知っている/知らない」は、木村一基八段。木村八段自らを語る、編集部からの質問、前回登場の稲葉陽八段からの質問、次回登場の藤井猛九段が木村八段を語る、の四部構成。木村八段からは、本当は攻めることのほうが好きなこと、受け将棋受難の時代、あまり知られていなかった意外な趣味などについて語られている。稲葉八段からの質問に対しては、「コツはあなたのほうがよく知っているでしょう、と言いたいですけどね(笑)」、「この質問は意外だなあ(笑)」など、木村流の枕が入るところも嬉しい。藤井九段は、奨励会時代の木村八段との思い出からはじまる藤井九段らしい面白い文章。
◯佐藤天彦名人の「中盤の読みとき方」の11月のテーマは「”中盤の序盤”を考えよう」。駒がぶつかる直前、直後あたりの局面にフォーカスを当てる。この講座を真面目に勉強すれば香車二本は確実に強くなれるような感じがする。解説がとてもロジカルでわかりやすい。
◯講座コラム「貴族のひとりごと」では、佐藤天彦名人の気分のリフレッシュの方法について。貴族らしさに更に磨きがかかっていると思う。
◯後藤元気さんの「渋谷系日誌」は、NHK杯戦終了後の千田翔太五段の様子、渡辺明竜王の昨年の講座をまとめた新刊「勝利の格言ジャッジメント」のことなど。日常生活で役立つ将棋格言が面白い。千田五段の下北沢のカレーが謎だ。
◯リバイバルNHK杯伝説の名勝負は、2003年度1回戦の神谷広志七段-渡辺明五段戦。湯川恵子さんによる観戦記。軽妙でとにかく面白い。
◯船江恒平五段の「加古川だより」は、関西将棋会館棋士室のこと。そして詰将棋の講座。糸谷哲郎八段との棋士室でのエピソードが楽しい。
◯別冊付録は、畠山鎮七段の「極上手筋 終盤偏1」。このシリーズも一冊の本になってほしい内容。
NHK杯戦観戦記
◯2回戦第3局 石井健太郎四段-谷川浩司九段
「大技を決める」 観戦記:高野悟志さん
◯2回戦第4局 船江恒平五段-千田翔太五段
「先駆者として」 観戦記:君島俊介さん
◯2回戦第5局 糸谷哲郎八段-渡辺明竜王
「渡辺流勝負術の冴え」 観戦記:鈴木宏彦さん
◯2回戦第6局 深浦康市九段-先崎学九段
「諦めない力」 観戦記:私
ということで、今月号には私が書いた観戦記(深浦康市九段-先崎学九段戦)が掲載されています。
激しい攻め合いから先崎九段が優勢になった将棋、それをじっと耐えて最後に逆転させた深浦九段。
解説の森内俊之九段が「深浦さん、恐るべしですね」とまで語った深浦九段の諦めない力。
今回は、対局前および対局後の控え室でのエピソードにも力を入れています。感想戦や後日の検討内容など、テレビには映らなかった部分も盛り込んでいます。
NHK将棋講座2016年11月号、面白い記事が満載ですので、ぜひご覧ください。